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兜町での扱いはゾンビ銘柄……

ダイヤを芳香剤にすり替えた!? 宝石会社シーマの実態

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2012.07.02


 06年6月、今度は10株を1株にまとめる株式統合を実施した。101分割で発行済み株式数が18億株に膨らんだため、大幅分割から1年あまりで、株数を減らさざるを得なくなった。およそ場当たり的な資本政策といわざるを得ない。発行済株数が18億株ということは、あの東京電力(16億株)を上回る、超大手企業並みの株数なのである。

 シーマが監理ポストから解除されたのは2年後の07年3月。株式上場廃止基準に該当しないと認定されたためだが、この決定に首をかしげる市場関係者は少なくなかった。

 それをさかのぼる07年2月、シーマに衝撃が走る。東京地検特捜部が、シーマの大株主である「さくら画廊」社長の白石幸生氏を所得税法違反(脱税)で逮捕した。幸生氏は03年、保有していたシーマ株式の売却益4億4000万円と、非上場の証券会社株式の売却益1億8000万円を得た。絵画を実際より安く売ったように見せかけ、架空の売却損を出して、株式の売却益を圧縮。03年だけで6億2800万円の所得を隠したとされた。

 このほかにも、手持ちのシーマ株を03年10月に1回、04年3月に2回の計3回、35万株を売却し、9億3000万円の売却益を得ていたことも明らかになった。幸生氏は07年11月、懲役1年2月、罰金1800万円の実刑判決を受けた。

 シーマの筆頭株主はホワイトストーン(旧・さくら画廊)で持ち株比率は19.93%、白石幸生氏が2位で19.84%(11年9月30日時点)。幸栄社長は10.99%を保有し3位の株主だ。4位までの一族で、57.7%の株式を保有している。

 シーマの13年3月期の連結売上高は、前の期に比べて9.0%増の109億円を見込む。ブライダルジュエリー業界で首位の地位にあるが、過去の所業の数々はリーダーにふさわしいとはいえない。

 株価は12年の高値が2月7日の24円。今年の安値は6月5日の17円(額面50円)。完全なボロ株。兜町の扱いはゾンビ銘柄である。
(文=編集部)

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