「今思うと、あれが予兆。
なぜ気づいてやれなかったのか……」
「あの時、話を聞いてあげていれば……」
——遺族のそんな自責の気持ちは無理もありません。
しかし、自殺のサインは専門医すら
見逃すことも多いですし、
家族とはいえ、完璧に配慮することは
とても難しいことです。
もし、遺された皆さんが日々自分を責め、悩んでいる姿を、
亡くなった本人が見ているとしたら…。
きっと、本人も余計に苦しむことに
なるのではないでしょうか。
そこで、遺された家族が
苦しみを乗り越えていくための
ヒントを以下にまとめてみました。
きっと亡くなった方の魂を
救う力にもなっていくはずです。
もし今あなたが自分を非常に責め、毎日、夜も眠れずに苦しんでいるならば、不器用に生きている自分を認めてあげることも必要です。完璧な自分のみを求めてはいけません。そういう自分であるということは、地上で魂の修行をしているということ、魂の学校で学んでいるということにおいて許されているわけなので、それを耐え忍び、許す心が大事です。
そうはいっても、自責の念が薄らぐには、やはり一定の時間が必要です。時間の力を借りて、法律の世界に時効という制度があるように、「心の苦しみにも時効があってよい」と考えてみませんか。他人の罪を、勇気を出して許すことが大切なように、自分を許す勇気も持ちたいものです。亡くなった人も、遺族がいつまでも苦しみ続けることを、決して望んではいないはずです。
死後の生命を知ることで、大切な人を失った悲しみを乗り越え、生きる勇気につながったという遺族はたくさんいます。霊的に見ると、自殺者の魂は地上で迷うケースが多いのですが、だからこそ、遺族が正しく勇気ある生き方をすることが、そうした迷える魂に救いを与えるきっかけにもなるのです。
そして、自殺遺族が心の苦しみを乗り越えるには、やはり、人間の罪と許しや永遠の生命に関する宗教的真理の知識を知ることが欠かせません。縁ある人々が互いに支え合うと同時に、こうした真理を理解することが、さらなる悲劇を防いでいくことにもつながるのです。
残された家族がこの世で正しく生きる姿を見せることで、
亡くなった人も正しい生き方を学ぶことができます。
それが、迷っている霊を救う力になっていくのです。