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仙台の県立高 旧女子高、男子志願伸びず 部活動制約が壁

 仙台市内で男女共学化された宮城県立の旧女子高で、男子の志願者が伸び悩んでいる。県内の全公立高が性別を問わず門戸を開くようになって3年。各高は新たな伝統づくりに力を注ぐが、部活動の制約などが壁になっているとみられる。教育界では「中学生の進路選択がゆがみかねない」と是正を求める声も上がっている。

 共学化した市内各高の男女別志願動向はグラフの通り。旧男子高の仙台一、二、三で女子志願者が伸びているのに対し、男子が旧女子高を選ぶ動きは弱い。宮城一の場合、理数科を除いた2013年度後期入試の男子比率は7%にとどまった。
 男子が旧女子高を避ける要因として、第一に指摘されるのが敷地の問題だ。女子サッカー、野球などが普及していなかったため、旧女子高は運動場の規模が旧男子高に比べ狭い。第2グラウンドを持つ仙台二華を除き、部活動は屋内や個人競技が中心となる。
 県教委は校舎の更新を進めるが、敷地の拡張は難しい。周囲で施設を借りようにも「中心部には候補地さえない」(宮城一)のが実情だ。
 男女で志願傾向が割れる理由としては、「根強い別学イメージ」「仙台一、二のブランド力」(高校関係者)なども挙げられる。
 関係者の間には「いずれ男女比は平準化する」との楽観論はあるが、偏りの固定化を否定する材料にはなっていない。県内の中学生は公立志向が強いとされ、進路選択への影響を懸念する見方もある。
 大手学習塾、河合塾NEXT(仙台市)の岡宏志教室長は「旧女子高が男子の受け皿になっていない。相応の学力がある生徒でも回避を余儀なくされ、進路指導の幅が狭まった」と説明する。
 市内の中学校教諭も「旧女子高を志願する男子は、現状では文化部所属の生徒に限られてしまう」と打ち明ける。
 県教委の県立高校将来構想審議会は昨年7月、共学化後の男女偏在について「理由を正確に把握する必要がある」とする中間報告を出した。今後の実態調査を踏まえ、14年度内にも最終報告をまとめる予定だ。
 県教委は「男女の固定化は避けたいが、志願、入学動向は長期的に見る必要がある。審議会の結論を待って対応を決めたい」としている。


2013年03月30日土曜日


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