わたくしの父は、68歳です。
孫の相手をしながら、
悠々自適な 年金暮らしをしていました。
しかし、
父は、細かく散らばった 「 瓦礫 集め 」 に
参加していたのです。
わたくしは、
「 どうして ? 」 と、
問いただしました。
すると、父は、
「 俺は、もう 68歳だ。充分に生きた。若い者には、させたくない仕事だ 」
と、笑いながら言いました。
わたくしは、二の句が継げませんでした。
わたくしの家系は、
昔から、世帯主が早死にするのです。
頑張って生きたのは、祖父だけでした。
69歳でした。
わたくしは、心から思いました。
「 そんな仕事、今すぐに辞めてほしい 」 と。
父は、兼業農家をしていました。
田んぼ は、40枚ほどありましたが、
津波と 【 原発 事故 】 以来、
農業とは、縁を切りました。
父は、
困った状況を、見ていられない人間です。
そして、
一度、こうと思ったら、
絶対に辞めないでしょう。
わたくしは、
ただ、父の無事を祈るしかありません。