プロフィール
鈴木ひろ子(すずきひろこ)
明治大学卒業。福島中央テレビに入社しアナウンサーとして活躍後、KENSOと結婚。KENSOのWWE入団に伴い渡米。日本人女性初のWWEディーバとして世界をまわる。その後KENSOの移籍に伴い、メキシコへ移住するなど国際経験豊富。著書に「ゲイシャガール リングに上がる」がある。




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狂い咲き
2013年03月24日

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人伝に聞いた内容やネット上の情報を語るとき、私は必ず《確証のない話》と前置きするし、《らしい》をつける。古いと言われるかもしれないが、自分の目で見て、体験したことでなければ、《知識》とは言えないと思っている。人と自分とでは絶対に感じ方は違うはずで、責任が持てないからだ。
ネット上の私についての記述やKENSOについての記述を見ても、インターネットの情報ほど適当なものはないと私はいつも思う。誰でも匿名で、無責任に書けるものだけに、そこの信ぴょう性は定かではない。感情に任せて書いたものが踊るのである。それを全て真に受けるのは危険だろう。それでも今は、それをまるで事実の様に、何の確証もなく口にしてしまう人がとても多いし、聞く側もまた、それを真に受ける人が多くて驚く。

 そういう点で言えば、KENSOは情報に踊らされないタイプだ。何を信じ、何を聞き流すべきか、何が真実で、その本意はどこにあるのか、確かに間違うことも多々あるが、それでも安直に鵜呑みにするのでなく、それを選別しようと努力する目と耳と感覚を持っている。噂や情報を耳にすると、まずその《裏》に潜む《真意》を量ろうとする。
そんな感覚を得られたことは、KENSOこの10年の最大の収穫の一つと言っていい。
 それほど世界のマットは激動だった。

 WWEにいた頃、ロッカールームに湧き出るとめどない噂話に、私がいちいち驚いていると、トーリーに後から叱られた。
「ヒロコ、いちいち答えたら損するよ」
彼女曰く、知っていても知らない振りをしろと言っていた。そこで何か言ってしまえば、今度は「ヒロコが言っていた」と枕詞をつけられてしまう。《情報は貰う、だけど関わらない》、この業界で生き残るには、そのスタンスが大切だった。
それからそんな場に居合わせると、トップと言われる選手達は一様に同じ態度をとっていることにきがついた。こんな話もある、あんな話もあるとペラペラと話したり、のめりこんで聞き入っているのは大抵何もしらない若手で、そんな時、トップは何も知らないふりで静かに情報だけは聞き、気づくとしれっとそこからいなくなっている。
レイミステリオはいつも「へぇ、そうなの?」と初めて聞いたという口ぶりで答えていた。トーリーと私で「レイ、それこの前も聞いたじゃない?」とあとからこっそり尋ねても、「へぇ?そう?」と答える。
とぼけていたのか、本当に忘れているのか知らないが、それも一つの渡世術なのだろう。彼らはその場では合わせておきながら、きっと腹の中でそれぞれに情報を分析し、ふるいにかけていたのだと思う。この激動のレスリング界では、その冷静さは大切だ。
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03月30日更新
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