東京電力は29日、福島第1原子力発電所事故後に社内テレビ会議で記録した映像を同社ホームページで新たに公開した。事故が起きた2011年3月11日から15日にかけて同社本店などで収録した計5時間42分。資材不足で自衛隊に支援を要請したものの、放射線量が高いことなどから到着が遅れ、3号機の水素爆発を防げなかった様子などが収録されている。
同原発では今月18日、仮設配電盤にネズミが侵入して停電し、使用済み燃料プールなどの冷却が最長29時間停止するトラブルが起きたばかり。事故当初から続く後手後手の対応をどう改善するかが問われている。
新たに公開されたのは報道関係者のみ閲覧可能だった映像のうち113場面。一般社員の顔や氏名を隠すなど画像や音声に処理を施されている。
映像では、1号機が水素爆発した後の11年3月13日午前4時ごろ、吉田昌郎所長(当時)が「トランジェント(過渡期)の状態です」と3号機の原子炉の状態が不安定になっていると本店に伝え、約1時間後には社員が「何もしなければ(3号機の)炉心損傷は(午前)9時半」と報告した。
原発内は水やバッテリーなど必要な資材が足りず、自衛隊に給水車の派遣などの支援を要請。しかし、敷地境界の線量は毎時882マイクロシーベルトと高く、本店社員は「自衛隊の給水車はいわき市付近で待機中。3号機の状況を非常に気にしていて行きたくないという見解を示している」と説明。原発から約5キロ離れたオフサイトセンターで放射線防護に必要な装備を整えてから向かうことになった。
「空です。3号機は」。吉田所長は13日正午すぎ、本店に注水用の真水が枯渇したと報告、翌14日未明には炉心が完全に露出したとされる。同日午前、ようやく自衛隊の給水車などが到着し、注水に向けた作業が始まったが午前11時1分、オレンジ色の閃光(せんこう)と爆発音がとどろいた。3号機の水素爆発を防ぐことはできなかった。
東電は事故後1カ月の映像を昨年8月以降、報道関係者に公開。そのうちの一部を順次、一般にも公開しているが、全面公開には応じていない。
東京電力、福島第1原子力発電所
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