【上地兼太郎】円安で燃料の輸入価格が高くなったため、全国で5月から電気やガスの家庭向け料金が跳ね上がる。29日までの発表では、東京電力は「平均的な家庭」の料金が4月より221円高い7636円に上がって月間では過去最高になるほか、九州電力も1997年夏以来の高い水準になる。
関西電力は120円高い6931円、九電は99円高い6733円(いずれも、これとは別に政府に家庭向け電気料金の値上げを申請中)になる。ガスでは、東京ガスが138円、大阪ガスが140円上がる。
今回は、料金そのものを引き上げるために関電や九電などが政府に申請している「値上げ」ではない。液化天然ガス(LNG)など化石燃料の輸入価格の値動きを自動的に料金に反映する「燃料費調整制度」によって値上がりした。昨年末から円安が進み、LNG価格は昨年5月より約11%も高くなったからだ。