特集ワイド:苦闘「スマホの壁」 「タップ」「フリック」オジサンにムリ?

毎日新聞 2013年03月26日 東京夕刊

 ◇人生ちょっぴり前進、慣れてみようよ

 携帯電話売り場に並ぶのはスマートフォン(スマホ)ばかりの昨今。中高年層にもスマホ使いが増えてきたが、「タップ(軽く触れる)」「フリック(指で払う)」などのタッチパネル操作に、苦労している人が多いようだ。オジサンたちの「スマホの壁」はいかほどか。【宮田哲】

 「電話がうまく取れません。スマホに替えたころは2回に1回は失敗。今も5回に1回はだめです」

 東京都内の喫茶店。そう話す男性は、ただの中年サラリーマン……ではない。日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事の萩原栄幸さん(57)だ。コンピューターセキュリティー対策の専門家で、防衛省の相談も受ける萩原さんでもスマホの操作は苦手という。

 試しに萩原さんに電話させていただいた。「受話」マークのアイコンに指を置き、右にずらす萩原さん。だが、スマホは無反応。もう一度指をピコンと振ると開通した。

 「失敗を繰り返すうち留守電モードになってしまうことがある。自分はここにいるのに!と悔しいですよ」

 モバイル関連のリサーチ機関「MMD研究所」による60歳以上を対象にした利用実態調査(12年8月)では、所有者の54・1%が「利用する上で困っていることがある」と回答。「機能が複雑で使い方がわからない」(18・9%)、「操作しづらい」(15・1%)などを挙げた。

 実は私(50)も最近スマホを使うようになったが、まだ気難しいペットと暮らしているような感じだ。タップしても画面が変わらないとスマホ様に無視されたようで傷つく。指が変なところに触れると、想定外の場所へ引きずられていく己が情けない。

 一部の不器用な人だけなのかも−−と東京・新橋で聞いてみた。「慣れるには3週間必要でした」(45歳の男性会社員)、「1年たっても機能が使いこなせない」(51歳の男性会社員)。ほっとしつつも、電車の中で立ったまま手のひらのスマホを親指一本で操り、文章を打つ女性を目撃。パネルの上で親指がしなやかに踊ると、瞬く間に文字が生まれる。オジサンに優雅な振る舞いは無理なのか。

    ■

 富士通がシニア向けスマートフォンとして製造、昨夏からNTTドコモ取扱店で発売しているのが「らくらくスマートフォン」だ。商品を企画したモバイルプロダクト統括部の古木健悦(けんえつ)・シニアマネージャーは「開発にあたっては、約100人のシニア層にわが社製の別のスマホを2カ月使ってもらい、つまずきやすい点を探りました」と話す。代表的なポイントは

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