インタビュー - 髙橋 大輔
——今季はシーズン中に曲変更しましたが、髙橋選手としては珍しいですね。
試合だと乗りにくいな、というのがあったんです。試合だと(ステップでレベルを上げるために)エッジの細かさや上半身の動きを考えながらやるので(乗りの良い曲なのに)飛ばして行けなくて。(長光)歌子先生からも、変える選択肢もあるとアドバイスがあり、自分も『そうかも』って思ってしまった。迷いが一回出てしまうと、その考えが逃げ場になってしまうから、変えるという結論になりました。でも、点数の評価を気にし過ぎている自分もいたと思います。
——シーズン中に曲を変えるというのはどんな感触でした?
滑り込み不足なのは不安ですよね。普通は、シーズンを通して歪みを修正するのですが、それを短い時間でやらないといけない。でも五輪シーズンは直前で曲を変える可能性もあるだろう、という気持ちがあったので、やはり今季のうちに(曲変更を)やってみました。(同じモロゾフコーチに師事していた)荒川さんも美姫も変えていましたから。
——荒川さんがトューランドットに戻したように、過去の曲で勝負するなら何がいいですか?
振付はそのままでは無いですが、曲としては『オペラ座の怪人』ですね。すごく好きな曲。名曲すぎてショートじゃもったいないから、フリーで!
——じゃあショートの方は、去年の不思議な世界観だった『イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ』が名プログラムだったのでは?
あれは、もともと自分が一番好きなジャンル、世界観ですからね。ああいう中近東の雰囲気みたいのは。デイビッド・ウィルソンが振付が上手いだろうと思って頼んで、良いものが出来たんです。
——では、来季のプログラム案はありますか?
まだ考えたくないですねえ。プログラム決めは毎年大変で、誰に振付けてもらうか、どんな曲にするか、とにかく悩む。オリジナルダンスみたいに、ショートは課題のジャンルを決めて欲しいです。そしたら選手ごとの表現の差も出てきますしね。それでフリーは自由に曲を選べるっていうルール。それ、提案!
——確かに振付師を毎年変えているし、決めるのが大変ですね。
今季初めにあと2シーズンだったからチョイスが(ショート、フリーを2季で)4つしかなかった。もう来年は2個しか選べない。自分ではもうチョイス出来ないって気持ちです。
——現役最後ですからね。
そう、悩む。だって最後のシーズンだから。想い出になる曲がいいです。