北陸新幹線の敦賀開業時にJR西日本から経営分離される並行在来線の第三セクターによる経営方式や運行計画、自治体の出資負担などについて協議する福井県並行在来線対策協議会が29日発足し、福井市の県国際交流会館で初会合を開いた。2025年度とされる敦賀開業の2年前の23年度に三セクを設立することで合意した。本県が要望している早期開業の実現に合わせ、スケジュールを前倒しすることも確認した。
同協議会は知事、沿線6市1町の首長のほか、経済団体、利用者団体、鉄道事業者の代表ら19人で構成。会長に西川知事、副会長に東村新一福井市長、川田達男・県商工会議所連合会会頭が就いた。
今後は▽三セクの経営方式▽需要予測▽ダイヤ編成を含む運行計画▽施設・車両計画▽運賃設定などの収支予測▽資金計画▽利用促進案―などをまとめ、22年度に経営計画案を策定。三セク設立後に計画を具体化させていく。
本年度は経営分離されるJR北陸本線の駅や線路など施設の整備状況、運行車両の状況などを調査し、今後の協議の基礎となる情報を収集する。
西川知事は「並行在来線は県民の生活に欠かせない重要な社会基盤。富山や石川など他県の先行事例を参考にしながら、時間を大事にして県民の利便性確保を第一に検討を進める」とあいさつした。一日も早い敦賀開業を求めていく姿勢もあらためて強調した。
他県の先行事例については、新幹線開業に伴ってすでに開業している三セク4社のうち3社は、車両(上部)と線路(下部)ともに三セクが運営主体となる「上下一体方式」を採用していることが報告された。運賃や定期料金が引き上げられる一方、運行本数の増加や新駅設置の利便性向上が図られていることも報告された。