北陸新幹線:JR並行在来線、運賃上げ幅1.09倍 県、12億円を補助 /富山
毎日新聞 2013年03月29日 地方版
14年度末の北陸新幹線開業後に、JRから経営が分離される並行在来線のあり方を話し合う協議会が28日、富山市の県民会館であった。議論になっていた運賃の値上げ幅について、開業後5年間は通学定期で約1・03倍▽通勤定期と一般運賃は約1・12倍程度▽平均1・09倍程度−−とする県の案が了承された。1月に示されていた案では値上げ水準は「約1・15〜1・19倍程度以内」だったが、急激な値上げを避ける措置を執った。【大森治幸】
運賃の値上げを巡っては、県内で住民向けに開催されている説明会や県議会などで、激変緩和を求める意見や「学生に配慮してほしい」などの声が相次いだ。このため県は改めて精査していた。
また、隣県の石川県とも情報交換をして、値上げ幅に開きがないように調整。石川県が示した値上げ幅と大きな差がないようにし、利用客の混乱軽減を図った。石川県の値上げ幅は開業後5年間は、通学定期は据え置き▽通勤定期と一般運賃は約1・14倍▽平均1・09倍−−。
一方で、富山県では開業後6年目以降は、通学定期で1・05倍程度、通勤定期と一般運賃で1・19倍程度とする。
値上げ幅の縮小に伴い、並行在来線の運営には追加で約11億円の資金注入が必要になる。このため県は単独で12億円を補助する方針で、市町村に対しては負担の増加を求めない。