【中田絢子】JR東海は29日、2018年から予定していた東海道新幹線の老朽化を食い止める大規模改修を前倒しし、4月から始めると発表した。民営化後初めての大がかりな「若返り工事」で、鉄橋やトンネル、高架橋が対象だ。高度成長期に整備されたインフラが老朽化する中、東日本大震災もあり、対策を早期に完了させることにした。
東京―新大阪の全線にある鉄橋233カ所、コンクリート高架橋計148キロ、トンネル66カ所計70キロが対象だ。既存の施設を補強したり、負担がかかる部材を交換したりするもので、新しく造り直すことはしない。このため、工事期間中の新幹線運休は避けられるという。工期は13年4月〜23年3月、総工費は7308億円。工費の一部には、将来の大規模改修に備えて02年から積み立ててきた3500億円を充てる。
1964年に開業した東海道新幹線では、74〜81年度に平日運休を伴う大がかりな「若返り工事」が48回行われた。JR東海は2002年、総工費1兆971億円に上る大規模改修を18年から行うと発表。鉄橋を新しく架け替えたり、トンネル内壁の全面に鋼板を張り付けたりする大がかりな計画で、期間中は運休が発生する見込みだった。