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東海道新幹線 初の大規模改修へ
3月29日 17時55分

東海道新幹線 初の大規模改修へ
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来年で50年を迎える東海道新幹線では、高架橋などの老朽化対策として、来月から、開業後、初めてとなる大規模な改修工事が始まります。当初、運行を止めての改修も検討されましたが、工事の進め方を工夫して列車を走らせながら行うため、ダイヤに影響はないということです。

東京オリンピック目前の昭和39年開業の東海道新幹線は、来年で50年を迎えますが、1日150往復以上の列車が、最高時速270キロで行き交うため、車両と異なり造り替えが難しい高架橋などの老朽化対策が課題になっています。
日々の補修で運行に問題はありませんが、JR東海は、来月から10年かけて、施設の大規模な改修工事を始めることにしています。
対象区間は全路線の半分近い240キロに及び、コンクリート製の高架橋やトンネルの一部を鉄板で覆ったり、橋の骨組みを補強したり段階的に取り替えたりすることで、施設の寿命を数十年延ばすということです。
耐震化のための補強工事は、これまでも行われてきましたが、老朽化対策を目的にした大規模な改修工事は開業後、初めてで、当初、運行を止めての改修も検討されましたが、工事の進め方を工夫して列車を走らせながら行うため、ダイヤに影響はないということです。
JR東海の山田佳臣社長は「着実に工事を進め、安心して新幹線を利用してもらえる状況をつくっていきたい」と話しています。

運行を止めずにどう改修?

改修か所は、▽高架橋が148キロ、▽トンネルが66本、▽鉄橋が233か所に及びますが、1日40万人近くが利用する列車の運行に影響しないよう工夫を凝らしながら工事が進められます。
このうちトンネルと鉄橋は、運行が終わったあとの夜間に改修を行うことにしました。
一方、高架橋は、効率よく作業できる日中に工事を行います。
ただ、架け替えはせず、コンクリートの表面を薄い鉄板で覆い、空気が入りにくくすることで、内部の鉄筋が酸性化して腐食するのを防ぐことにしました。
これにより列車を走らせながら作業を進めることができます。
試験的に工事が行われている愛知県稲沢市の現場では、およそ5分ごとに、時速270キロで通過する列車のすぐ脇で工事が進められ、作業員は、風圧で飛ばされないよう命綱をつけながら改修に当たっていました。
現場には、昭和38年に建設されたことを示すプレートが取り付けられていて、ところどころに小さなひびが見られました。
JR東海新幹線施設部の森川昌司担当課長は「利用者に影響が出ないよう工事を行い、将来にわたり、日本の大動脈を守りたい」と話していました。
日々の点検で、これまでに、鉄橋の500か所以上でボルトの緩みや小さな亀裂が見つかり補修したほか、トンネルでは、およそ2万か所で、小さなひびが見つかっているということです。

施設の寿命をどのような方法で延ばすのか

JR東海は、愛知県小牧市の施設で研究を進めてきました。
16両の列車が1回通過すると、橋には、合わせて700トンの力が加わるということで、実際に使われていた鉄橋に、油圧装置を使って、新幹線が通過した時と同じような力をかけ続け、さまざまな部分に取り付けたセンサーでひずみを計測し、対策を編み出しました。
特に、金属疲労が進んで亀裂が一気に広がる「疲労亀裂」の対策が重要で、実験の結果、骨組みどうしの接合部分を補強することで、亀裂の拡大を防げることが分かったということです。
このため骨組みを補強したり段階的に取り替えたりして、亀裂が広がるのを防ぐことにしました。
この方法なら、橋を全面的に架け替えて、列車の運行を止める必要がなくなります。
改修にかかる費用は、全体で7300億円余りに上り、開業後に行われる工事としては、過去最大だということです。
JR東海は、このうちのおよそ半分を、10年かけて積み立ててきたということです。

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