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日本に老舗企業が多い理由

2013-03-27 15:21:30
mikako
読む時間:約2分半
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何百年も続く老舗企業がたくさんあることが特徴的だと言われている日本。100年以上生き残っている企業ともなれば、第二次世界大戦後の混乱を乗り切り、200年以上であれば明治維新という大きな社会の大転換をも乗り越えているということになります。
日本は近隣諸国に比べて老舗企業が多い
例えば、日本以外のアジア各国には老舗企業はこれほどなく、韓国など「3代続く店はない」と言われているほどであることを考えると、どこにその違いがあるのかとても興味をそそられます。
日本に老舗企業が多い理由はいろいろと言われていますが、そのひとつが家訓です。代々続く老舗企業は、変わりやすい世の中を生き抜くために家訓など、脈々と受け継がれる理念を持っています。それはまた、老舗企業に限らず、財閥とて同じこと。そこで、特に歴史が古い三井家の家憲から、生き残りの秘密を考えてみたいと思います。
ご存知のとおり、三井家は江戸時代に呉服商として成功し、その後様々なビジネスを展開して栄えた一族です。初代三井高利の「現金掛け値なし」という商売手法はあまりにも有名です。
三井家が一代で莫大な財産を築いたため、三井家は子ども達それぞれが分家を持ち、本家•分家合わせて11の家を抱える大所帯となりました。三井家が財産を11家でうまく継承していけるように考えた仕組みが以下の家憲です。(「商家の家訓」青春出版社より抜粋)
一、単木は折れやすく、材木は折れ難い。汝ら相強力して家運の強固を図れ。
一、各家の営業より生じる総収入は、一定の積立金を引いた後、各家に分配せよ。
一、各家より年長者を一人あげ、「老分」と称してこれを全体の長とせよ。各家はみな、老分の命令を聞くべきものとする。
一、同族は決して相争うことのないように。
一、固く奢侈を禁じる。厳に倹約を心掛けよ。
一、名将の下に弱卒なし。賢く有能な者を登用するよう、最大の注意を払うこと。登用に当たっては、不平や怨嗟の声が上がらないようにせよ。
一、主人は一家のことについては、上下大小の区別なく、すべてに通じるよう心掛けよ。
一、同族の子供は、一定の年齢に達するまで奉公人と同様に扱い、番頭・手代の下で働かせよ。決して主人のような待遇をしてはならない。
一、商売は見切り時が大切であることを心に留め置け。
一、長崎に出て、外国と商売取り引きせよ。
三井家の家訓は家業の事業規模が大きく、分かれた11家をマネジメントしなければならなかったため、「顧客を大切にする」などの事業に関することよりも、一族の構成員の行動規範やルールを細かく定めていることが特徴と言われています。
また、三井家は初代から、事業を能力のある「番頭」「手代」などに舵取りを任せ、三井家は「オーナー家」として、事業から得られた利益のなかから、「配当」を受けるような形で果実を得るようにし、事業と三井家という私的な部分を切り分けていたために、こうした家訓が作られたとも言われています。
比べて、現代は、個人主義が徹底し、一族が結束を守っているという例を見ることは少なくなっています。遺産相続をめぐって、兄弟姉妹が骨肉相食むという話さえ、けして珍しくはありません。
しかし、三井家は財産を「惣持(そうもち)」といい同族の共有と考えていました。これを支えたのが先にあげた家訓です。三井家の人々、そして事業を行う人がこの家訓をひたむきに守ってきたからこそ、困難な時代を乗り越え、長く続いてきたのだと思うと、会社に対してロイヤリティを持って仕事に励む人が減った現代との差を感じます。日本もこれから他国同様、老舗企業がどんどん減っていくかもしれませんね。
三井グループ企業
王子製紙、サッポロビール(サッポロホールディングス)、三機工業、JA三井リース、新日本空調電気化学工業東洋エンジニアリング東レ日本製鋼所日本ユニシス三井化学三井金属鉱業、三井住友海上(MS&ADインシュアランスグループホールディングス)、三井住友銀行(三井住友フィナンシャルグループ)、三井住友トラストホールディングス、三井住友ファイナンス&リース、三井生命保険、三井石油、三井倉庫三井造船三井物産三越伊勢丹ホールディングス、サントリーホールディングス、商船三井