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事件
【from Editor】「不慮の事故」の中に…
元警察庁キャリアで弁護士の後藤啓二さんは、遺体解剖を含めた死因検証の法制化を訴えている。だが、それには時間がかかるので条例での対応を提案。その条例案を自ら主宰するNPO法人「シンクキッズ」のHPで公表している。県や市が医師や保健所職員ら専門家による検証委員会を設置。例えば「不慮の事故」とされた事例で死因の確認が必要と判断した場合、死亡診断書を作成した医師や警察などは委員会の質問に回答する。ただ、その回答は医師らが負う守秘義務に反しない-という内容。自治体の首長らに制定を働きかけており「やる気のある知事や市長さんならすぐにやってくれるはず」と後藤さんは期待する。
医療現場は依然として人手不足である。検証作業はさらなる負担を課すことになるだろう。法制化、義務化に対する現場の抵抗を無くすにはヒト、モノ、カネの十分な手当てが求められる。行政側は予算措置に及び腰になるかもしれない。だが、手をこまねいている間に、今もどこかで虐待は行われているのである。虐待の一種に「ネグレクト(育児放棄)」がある。社会、大人の不作為はまさにネグレクトで、許されない。着実に前に進めたい。(大阪社会部長 安東義隆)
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