広いLDK、大きな窓……家づくりで大切にすることは建てる人によってそれぞれですが、なかでもキッチンを重要視する方は多いようです。特に最近は「閉じこもって料理をするのはイヤ」「子どもたちと一緒に料理がしたい」など、オープンなキッチンを希望する奥様が増えてきました。 単なる調理場ではなく、家族団らんのカギとなるキッチン。今回は、OZONE家づくりサポートの菅野氏に、キッチンとダイニングのレイアウトを中心に、失敗しないオープンキッチンの取り入れ方を教えていただきました。
広いLDK、大きな窓……家づくりで大切にすることは建てる人によってそれぞれですが、なかでもキッチンを重要視する方は多いようです。特に最近は「閉じこもって料理をするのはイヤ」「子どもたちと一緒に料理がしたい」など、オープンなキッチンを希望する奥様が増えてきました。 単なる調理場ではなく、家族団らんのカギとなるキッチン。今回は、OZONE家づくりサポートの菅野氏に、キッチンとダイニングのレイアウトを中心に、失敗しないオープンキッチンの取り入れ方を教えていただきました。
ひとことで「オープンキッチン」といっても、そのレイアウトの仕方でいくつかの種類に分けられます。家族構成、家の広さ、使い勝手によってアレンジしたプランはさまざまありますが、大きく分けると以下の3つの種類があります。
ダイニングスペースを広めにとることができる。
まずは、壁に沿って配置したI型キッチン+ダイニングという組み合わせ。これは、ダイニングとキッチンの境界線が曖昧で、空間を広く使えるメリットがあります。数人でキッチンに立つことができるのも便利。ただ、収納の様子まですべて見えてしまうので工夫が必要です。
調理中でも家族とのコミュニケーションがとりやすい。
続いて、対面式カウンターキッチン+ダイニングという組み合わせ。比較的、独立型のクローズドキッチンに近いプランですが、家族と話したり、テレビを見たりしながらお料理をすることもできます。 水まわりの手元は、カウンターの立ち上がりで目隠し可能。このキッチンは、吊り戸棚を設けるか、設ける場合にはその高さをどのくらいにするかなどもポイントになります。
レストランの厨房を思わせ、開放感たっぷり。
そして最近人気のアイランドキッチン+ダイニングという組み合わせ。キッチンをぐるりと囲んで大人数で作業ができるなど便利な面も多々ありますが、実はアイランドキッチンを選ぶ多くの理由は“作業性”よりも“インテリア性”。いわゆる「見せるキッチン」ですね。カウンターは平坦で見通せますが、見せない収納部分をうまく取り入れ、すっきりと見せることがポイントです。
夢のオープンキッチンが出来上がり、いざ使ってみたところ「あれ?」と思うことがあるかもしれません。「失敗したなぁ」なんてことにならないために、工夫できることはどんなことでしょうか。
匂いがこもるのは避けたい
お料理ができた時のおいしい匂いは嬉しいけれど、いつまでも部屋に匂いが充満するのは避けたい。
まず、「匂いがこもってしまう」という場合。料理の匂いは食欲をそそりますが、食事の後まで部屋中に充満してしまったら、やはり「ちょっと失敗したなぁ」と思いますね。
実は意外にも、IHコンロを選んでオープンキッチンにした方に、この失敗例が多く聞かれます。ガスコンロと違って炎がないため上昇気流が起きにくく、油の粒子などがまんべんなく周囲に飛散し、換気扇だけでは十分に排気しきれないというわけです。
また、汚れた空気(匂いや水蒸気、油の粒子など)は、できるだけ早く短い距離で排出してしまうほうが、室内は汚れにくいもの。 換気扇の性能をきちんとチェックするほか、コンロスペースを外壁側などの換気しやすい配置にすることも効果的です。
続いて収納のお悩み。少しでも収納を多く作りたいと思うと、吊り戸棚もできるだけ大きくしたくなりますよね。しかしその結果、せっかく開放感に憧れて作ったオープンキッチンが、収納に囲まれて窮屈に感じてしまっては残念です。反対に「思い切って吊り戸棚をやめたら、キッチンがとても明るくなった」という声も聞きます。吊り戸棚はあると便利ですが、せっかくのオープンキッチンですので、開放感を損なわないよう、戸棚の高さや扉の素材、色には十分気をつけましょう。
引き出し型の収納
引き出し型の収納なら、扉が全開でもダイニングから中身が丸見えになりません。
そして、壁付けのI型キッチンに多い「生活感が丸見え」状態。お客様がいる時にキッチンキャビネットの扉を開けたら中のものが見えてしまう、というのは避けたいところですね。引き出し式にしておけば、こんなに見えなかったのに……なんて思っても後の祭り。あらかじめ、お客様の目線を考えたダイニングと収納のレイアウトにも気を配りましょう。
では、「失敗したなぁ」とならないようなオープンキッチンのポイントは何でしょうか。ここでは、数人が同時に立つことを想定してつくられた、とあるオープンキッチンの成功例を紹介しましょう。
掃除もラクラク
コンロの前は、ステンレスと大判のタイル貼り。ガスコンロはゴトクを外して掃除もラクラク。
まずレイアウトは、シンクのある作業スペースをアイランド型に、コンロスペースをシンクと背中合わせの外壁側に設けました。シンクとコンロの移動距離が短くなっているので、奥様がひとりで料理をする時にも使いやすいキッチンです。外壁側にガスコンロと換気扇を設置しているので、匂いの対策も万全。素早く、十分な換気ができるように考えられています。コンロの前が継ぎ目のないステンレス張りになっているのも、清掃性向上で二重マルですね。
また、このお宅では、キッチンキャビネットに収納しきれない食品や食器、道具類など雑多なものをしまっておける収納庫をキッチンの隣に設けています。玄関→リビング→ダイニング→キッチン→収納庫→玄関、と回遊できる間取りにしているので、買い物から帰ったらすぐに収納庫にものをしまうこともできてとても便利。これなら夢のオープンキッチンを美しくすっきりと見せられます。
食品や食器をしまう収納庫
左に見える飾り壁の裏が、食品や食器などをしまっておける収納庫スペース。写真左奥に玄関があり、リビングに入った時にキッチンが見えないように配慮されています。
さらに、こちらのキッチンは、リビング、ダイニング、キッチンがL字型に配置されているので、玄関からリビングへ入ってきたお客様の目線には、キッチンが丸見えになりません。広い空間の中で、お客様の目線を計算した絶妙な配置のプランです。
オープンキッチンは好みだけど、リビングでくつろぐ時にキッチンが丸見えなのはイヤという方にとって、とても参考になるのではないでしょうか。
キッチンやダイニングを、家族の大事なコミュニケーションの場と考えるご家族も多いですよね。毎日使う場所だからこそ、憧れだけでなく、使いやすさまでしっかり吟味したオープンキッチンスタイルを見つけてほしいと思います。きっと、料理も食事も家族とのおしゃべりも、数倍楽しくなりますよ!