大阪市営地下鉄:うれし悲し、終電延長 23日夜から最大30分

2013年03月23日

 ◇もう一杯!!/タクシー痛手

 大阪市営地下鉄のダイヤが23日改正され、終電時刻が10〜30分延長される。民営化を目指す市交通局が、サービス向上の一環で1991年以来の延長に踏み切った。午前0時を過ぎても運行する路線が増え、利用客は「もう一杯飲める」と歓迎、飲食店も売り上げ増に期待する。ただ、客を奪われる格好のタクシー業界は浮かぬ顔。御堂筋線(千里中央方面行き)の終電が新大阪止まりになることへの不満も出ている。【津久井達、茶谷亮】

 終電が延長されるのは、堺筋線を除く各路線。これまでは在阪の私鉄各社より終電が30〜40分早かったが、営業終了後に車庫に戻していた回送電車を活用することにより、各路線で上下計2本または4本の増発が実現した。長堀鶴見緑地線の心斎橋駅では大正行きの終電が18分延び、午前0時23分になる。大正駅近くに住む男性会社員(27)は「ミナミで飲むことが多いのでありがたい。ゆっくりお酒が飲めそう」と顔をほころばせた。

 四つ橋線は西梅田発北加賀屋行きの終電が26分延長され、午前0時7分に。同線の肥後橋駅近くで和食店を営む森田龍彦さん(40)は「お客さんに少しでものんびりしてもらえるのがうれしい。売り上げへの波及効果も期待したい」と話す。

 一方、大阪市内のあるタクシー会社は「終電後の午前0時ごろから2時までは稼ぎ時。単価の高い客が地下鉄で帰宅すれば痛手だ」と戦々恐々。大阪タクシー協会の井田信雄・常務理事は「景気が回復すると言われているところなのに」とため息をつく。

 市営地下鉄の終電延長は、御堂筋線の新大阪発なかもず行きを15分延長した91年以来。市議会で何度も要望が出たが、長く実現しなかった。私鉄関係者は「交通局は労使関係が複雑で、勤務時間に関わる終電延長は不可能と言われていた。料金値下げといい、民営化への意気込みを感じる」と交通局の変化に驚きを隠さない。

 ◇「区間延長を」 不満の声も

 ただ、最も利用客が多い御堂筋線は、なかもず方面の終電延長はない。千里中央方面は梅田駅で25分延長するが、新大阪止まり。ベッドタウンの桃山台などには行かず、大阪府吹田市の女性会社員(34)は「終電が途中まででは意味がない。もっと拡大してほしい」と不満を漏らした。

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