名古屋グランパスのFW玉田圭司(32)が28日、湘南戦(30日・瑞穂陸)での“優勝ゴール”再現へ意気込んだ。今季J1に昇格した湘南とは2010年11月20日以来の顔合わせ。この試合で玉田は決勝点を挙げ、グランパスは初優勝を決めた。玉田は「自分にとっても記念に残るゴール」と述懐。思い出の湘南戦で再びチームを勝利に導く。
玉田の一撃は今もクラブ史に輝いている。2010年、首位を独走して迎えたアウェーでの湘南戦は後半途中まで0−0。V決定は次節へ持ち越しかという空気も漂い始めた21分、杉本(現JFL・HOYO大分)のクロスを、玉田が気迫のヘディングでゴールにねじ込んだ。
このゴールでグランパスは湘南を1−0で破り、悲願の初優勝を決めた。試合後、玉田は「プロになって初めての優勝。涙が出そうだ」と珍しく感極まっていた。
あれから3年。久々の湘南戦を前に、玉田は当時を思い起こす。「自分にとっても記念に残るゴールだよね」としみじみ。J通算85得点を誇る希代の点取り屋にとっても、やはり特別な一発だと認めた。
そのうえで、玉田は付け加える。「前回の対戦と今回は全くの別物。J1に上がってきた湘南はモチベーションが高い。グランパスは意地を見せないと」と語る。過去の栄光に浸ってばかりはいられない。3年前とはがらりと変わった湘南のチーム力を警戒した。
今季の玉田はJ1で開幕から3試合ノーゴールと、流れに乗り切れていない。「チームの中で自分の生きる道を探さないといけない」と試行錯誤を続けている。験がいい湘南戦はきっかけをつかむには格好。「ゴール? そうだね。チームも自分もいい形を続けないと」
3年前をほうふつとさせるような劇的ゴールを、今度はホームで見せつける。 (木村尚公)
この記事を印刷する