三菱自動車は27日、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の「アウトランダー」で、搭載しているリチウムイオン電池が発熱し、一部が溶ける不具合が発生したと発表した。電気自動車(EV)「アイ・ミーブ」用の電池ケースも工場内で発熱し、発火する事故があったという。けが人は出ていないが、同社は対象車種の生産、販売を一時停止し、購入者に充電を控えるように呼びかけている。
PHVのアウトランダーで発生した不具合は販売前の在庫車両。神奈川県の販売会社が納車準備のために充電したところ、21日に車両が動かず、異臭がして電池のカバーの一部に溶けた跡があったという。同車種の販売台数は約4000台。
一方、三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)では18日、アイ・ミーブ用のリチウムイオン電池が充放電の検査中に過熱し、電池ケースが発火する事故が起きた。同電池を搭載した販売車両は国内向けが68台、修理などで組み込まれた可能性のあるものが45台あるという。
いずれも電池はジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)が51%出資するリチウムエナジージャパン(滋賀県栗東市)が製造。同社が電池の製造ラインを変更したことで、異物が混入し電池内部がショートした可能性があるという。
三菱自動車の中尾龍吾取締役は27日の記者会見で、問題があればリコール(回収・無償修理)などの措置を取る考えを示した上で、「まずは原因をはっきりさせる」と強調した。GSユアサなどと協力し、1~2週間以内に原因を究明する考え。国土交通省によると、「自動車用のリチウムイオン電池のリコールはこれまでなく、不具合情報も極めて珍しい」という。
三菱自は調査の間、対象車種の生産、販売を停止。購入者に外部から充電せず、アウトランダーについては走行する場合、ガソリンのみで走行するよう呼びかけている。米ボーイング787で電池のトラブルが多発したこととの関連性について中尾取締役は「構造的に違うものでコメントは差し控えたい」とした。
一方、GSユアサは三菱自の水島製作所に技術者を派遣し、原因調査に協力。「因果関係などが分かり次第、対応を検討したい」(広報室)としている。自動車用電池はリチウムエナジージャパンの滋賀県の工場で生産しており、航空機向けの電池を生産するGSユアサの本社工場(京都市)とはラインが異なるという。
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