- 東京・神奈川・静岡を中心に「ハックドラッグ」を約300店舗展開するCFSコーポレーション。ドラッグストアとして親しみ深い「ハックドラッグ」ですが、調剤事業の積極展開にも注力しており、現在、調剤併設店を含む調剤対応薬局は108店舗。1カ月当たりの処方箋受付枚数は1店舗平均1,500枚に上ります。これはドラッグストア業界でトップクラスの実績です。さらに医療面強化の観点から在宅調剤にも力を入れ、すでに在宅専門薬局を含む12店舗で在宅調剤を実施。今後も地域ニーズに応じて、さらに調剤併設化と在宅調剤を推進していきます。管理薬剤師をはじめ現場職の裁量が高い社風のもと、地域医療の拠点として機能する薬局展開を目指しています。
時代のニーズに応じて
在宅医療のさらなる充実を図る
医療・開発本部 調剤推進部 調剤SVチーム スーパーバイザー 薬剤師 川俣美智子さん
「薬局薬剤師は地域医療に参加している『医療人』のひとりだと自覚をもってほしいですね」
- ―― 川俣さんは在宅薬局専門のスーパーバイザーと伺っています。
- 「2010年に在宅担当のスーパーバイザーを設けることになったとき、自らやってみたいと手を挙げました。もともとは予防医学の観点からOTCに力を入れたいと当社を志望したのですが、店舗の管理薬剤師や本部スタッフなど、幅広い経験を重ねたことで視野が広がり、在宅への関心が芽生えてきたのです。特に本部スタッフとして新店開発や行政対応に関わったことは、世の中の流れを知る上で役立ちました。(スーパーバイザー採用の)面接では、『これからの趨勢として在宅は不可欠。そして薬局薬剤師は医療人になるべきだし、なりたいと思います』と想いのたけをぶつけました。意欲と熱意がある人の意見は最大限尊重し、抜擢したり経営方針に反映してくれる。そんな風通しの良さも当社の魅力ですね」
- ―― 具体的にはどのようなお仕事をされていますか。
- 「在宅医療を行う薬局が軌道に乗るまでのあらゆる支援と、日常業務のお手伝いです。たとえば、この湘南ライフタウン店(取材場所)では、月の半分は店舗業務に携わり、薬剤師業務を担当しています。現場で働くことで、在宅を取り巻く現実的な問題を把握できることもひとつの理由ですね。また在宅店舗の出店計画や開発は他の専門部署で行いますが、立ち上げ後の薬剤師教育や、働きやすい仕組みづくりなどを任されています」
- ―― 在宅調剤を行う薬局は現在どのくらいあるのですか。
- 「調剤薬局108店舗のうち12店舗です。うち2店は在宅調剤専門薬局で、私はその全てを担当しています。神奈川をはじめとする首都圏のほか静岡にもあるので、出張も多いですが、在宅医療には地域性が密接に関係するので、その点勉強になりますね。在宅ニーズのさらなる高まりに応じて、今後年間5~6店舗のペースで新規出店する予定ですので、3年後の目標は25店舗です」
医療人のひとりとして
在宅医療に取り組む姿勢を推進
- ―― 川俣さんがいま月の半分ほど、ハックドラッグ湘南ライフタウン店に応援に入っているのには、何か理由があるのでしょうか。
- 「この店は、当社の在宅医療の基幹店だからです。在宅専門医と連携し、その分院の開設に合わせてオープンするとともに、これまで各薬局で担当していた在宅の患者さんの情報をここに集約しました。また特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム合わせて6施設の利用者さんの調剤も担当しています。地域的には藤沢市をメインとして鎌倉まで至る、湘南エリアの在宅拠点といえます。応需する処方箋は9割が在宅で、患者さん数も400人弱と大規模です。それだけに今後の当社の展開に、参考となる部分が多いのです」
- ―― 2011年4月の開局ですが、軌道に乗せるのに苦労はありましたか。
- 「この店のトップである管理薬剤師は、幸いにも在宅医療の第一人者ですので、実務面ではほぼ任せることができました。私はスタッフが働きやすいオペレーションを組んだり、在宅医療の経験がない薬剤師の教育に取り組みました」
- ―― 在宅医療における薬剤師の教育で心がけたことはなんですか。
- 「一番は、ケアマネージャーや医師、看護師など、在宅に関わる方と連携するためのコミュニケーションの取りかたです。調剤薬局の薬剤師は、他の職業の方と接する機会がなかなかありませんし、またいわゆる職人肌の方が多いように感じます。そうではなく、自分達も地域医療に参加している『医療人のひとり』なのだと、自覚を持ってほしいと考え、そうした意識の共有に努めました。カンファレンスにも積極的に参加するよう促しましたが、そうするうち、症例の検討において薬剤師として対等な立場で臨むためには、勉強や自己研鑽の必要があると気づいてもらえるようになりました。昨年から当社主催の在宅医療研修もスタートしており、意識はますます高まっています」
湘南ライフタウン店には時短勤務中のスタッフも在籍。指導やオペレーション改善のため、日常業務にも携わるという川俣さん。
確かな「医療連携」に向けて
自発的に仕事に取り組む人を歓迎
湘南ライフタウン店外観。近隣には老人介護施設や団地が建ち並ぶ。
- ―― 在宅医療に取り組むにあたり、御社の優位性は何ですか。
- 「調剤併設店が多いので、処方だけでなく、OTCやサプリメント、介護用品などの提供を通じて、生活支援の面でも様々な提案ができることです。用品の提供や、患者さんのニーズに応じたきめ細かな支援を行うにあたり、面薬局が多いことも強みですね。(併設の)ドラッグストアは地域の生活拠点ですから、より地域の人々が頼りにできる存在になるように、これからも機能を充実させていきます」
- ―― 求める人材像を教えてください。
- 「在宅医療の推進にあたり求められるのは、『医療連携』ができる人です。医師や看護師との連携や、カンファレンスへの参加には、患者さんの病状に対してより専門的な知識が必要ですし、一方で、実際に介護に関わる人への啓発やケアも大切です。たとえば、当店ではいま施設の介護スタッフに向けて、簡単な薬の勉強会を開いていますが、こうした部分をより充実する提案ができるような人。つまり受身ではなく、『どうしたらいいか』『患者さんのために何をすればいいか』を自発的に考え、提案・実行できる人ですね。そんな方をしっかり育成するとともに、新しい発想や提案を柔軟に反映する環境を用意して、さらに地域医療に貢献する存在になりたいと願っています」
幅広い診療科の薬を扱い
調剤に集中できる環境
営業本部 管理薬剤師 ハックドラッグ湘南ライフタウン店 南波義幸さん
「施設へ持って行く薬は量が多いので、大きなケースで施設ごとにまとめて管理しています」
- ―─ 南波さんがCFSコーポレーションに入社された理由は。
- 「やはりドラッグストア経営企業として知名度が高いことが大きいですね。もともと私は、病院にかかるほどではないけど何となく調子が悪い人、言い換えれば健康な人のさらなる健康増進に興味があってOTCを志望していたのです。でも入社後にOTCを3年半経験すると、だんだん薬剤師の次のステップとして、調剤に行きたいという意欲が高まってきました。そんなとき、上司から調剤部門の異動を打診されたのです」
- ―― タイミングが良かったですね。
- 「一般にはあまり知られていないかもしれませんが、当社は調剤にも力を入れており、その方針をますます加速させようという時期でしたから。それに当社は(ドラッグストアとの)調剤併設店が多いので、門前ではなく面展開が主流です。つまり総合病院からクリニックまで、地域の患者さんが通う病院のあらゆる処方箋を応需しているのです。扱う薬が多岐にわたるということは、薬剤師のスキルアップにも理想的な環境ですね」
- ―― そうすると、かなり忙しい毎日なのでは?
- 「そうですね、忙しくないとは言いませんが(笑)、ありがたいのは業務の“質”です。当社の調剤薬局ではスタッフの役割分担が明確なので、薬剤師の仕事は調剤がメインになります。調剤業務に集中できるから、調剤の精度や、合理化・効率化も追求できますし、何より患者さん一人ひとりときめ細かに接することができます。そうするうち、自分なりの“専門領域”を見出す人もでてくるでしょう。私の場合は、それが在宅医療でした。6年ほど前に、初めて在宅患者さんを受け持ったのをきっかけに、今では在宅医療に全力を注いでいます」
目地域貢献の方針のもと
全社的に在宅医療に取り組む。
調剤室の中には、広々とした作業スペースが確保されている。
- ―─ 在宅の患者さんを担当した経験はそれほどに大きかったのですか。
- 「はい。必要なときに薬が届かない、あるいは安心して服用できないという事態になれば、患者さん本人だけでなく、介護するご家族の負担も高まります。大きくいえば、地域の人々が困惑するわけです。少しでも地域の人々に貢献するために、地域にある面薬局の使命は大きいと痛感しました。また連携している在宅専門診療所の医師が非常に熱心で、その姿勢にも影響を受けましたね。2年前にその診療所の分院開設に合わせ、湘南ライフタウン店が開局したときは、医療のパートナーとして共に地域に尽力しようと奮い立ちました」
- ―― 現在、在宅患者さん数は約400人と伺いました。毎日の業務はどのように取り組んでいるのですか。
- 「在宅担当の薬剤師は3名ですが、施設にいる患者さんが8割ほどなので、充分に対応できています。定期的な配薬は週1回か2回。施設の場合は医師の往診に同行することが多いですね。施設に届ける薬はかなりの量に上りますので、(施設の)看護師さんの了解を得て、個々人のケースをつくり、絶対に間違えないよう慎重に確認しています。もちろん薬局でも施設ごとにケースでまとめていますよ。この薬局は手前が外来、奥が在宅のスペースに分かれており、スペース自体も広いので作業がやりやすい。造りも在宅仕様であることに、会社の本気度を感じます」
- ――個人宅の患者さんとはどのように向き合っていますか。。
- 「いま在宅の患者さんは60~70人ほどですが、独居の方、配偶者と二人暮らし、家族ぐるみの介護などその実情はさまざまです。薬の飲み忘れに最も注意が必要なのは独居の方で、まめに訪問したり、お薬カレンダーをわかりやすく記したりと、きめ細かく工夫しています。またご家族と同居していても、特に寝たきりの方には家族対応も必要です。介護の負担は相当なものなので、ちょっとした言葉がけなど精神的なケアも求められます。薬剤師業務を超えているのかもしれませんが、こうした対応も含めて、『薬剤師ってこういうこともできるのか』と広く知ってほしい。医療と介護に関わるほど、地域に寄り添っているという手応えが感じられます
調剤に精通した“医療人”として
着実に成長できる環境
調剤室の外には対面のカウンターが。処方箋はここで受け付けている。お客さまの要望があれば、OTC薬の説明も。
- ―─ やりがいを感じるのはどんなときですか。
- 「やはり患者さんやご家族に感謝されることですね。たとえば、肺炎になりかけた患者さん宅から緊急連絡を受けて、すぐに対処したとき。『あのときは助かりました』と後でお礼を言われて、いのちに関わる局面に接することもある、在宅担当薬剤師の責任を感じました。それから他の薬剤師が次第に成長し、在宅医療に熱心になる様子を見るのも頼もしいことです」
- ―― 今後も在宅医療の最前線で活躍してください。
- 「そのつもりです。先にも言った通り、当社は調剤・在宅といった医療面を強化しており、今後、この店のような店舗がどんどん増えるでしょうから、在宅医療に関心のある人は注目です。さらに、在宅医療はまだまだ草創期ですので、自分の意見や提案が通りやすいという手応えもあります。もっとも、当社の社風として、自発的に手を挙げやすい環境がありますので、在宅医療に限らず、広く調剤を含めて『我こそは』と思う人なら大歓迎ですよ(笑)。薬剤師という“医療人”として着実に成長できます」
マイナビ薬剤師
「キャリアコンサルタント取材後記」
- ハックドラッグ湘南ライフタウン店の調剤室は、一般的な調剤併設店のイメージを大きく覆すものでした。奥手には広々とした在宅調剤専門スペースが設けられ、自動分包機などの設備も充実。在宅専門薬剤師たちが合理的に、効率よく業務に打ちこめる環境がそこに広がっていました。ドラッグストアとして首都圏ではつとに有名な「ハックドラッグ」ですが、その「調剤」と「在宅」に向き合う姿勢は真剣そのもの。今後3年で調剤併設店は全店の約4割、在宅調剤対応薬局は25店舗の拡大を構想しています。特に在宅では全店を統括するスーパーバイザーを据える一方で、管理薬剤師の裁量も広く、地域ニーズに応じた店舗展開を行える体制は万全です。在宅医療と調剤に興味がある人、そして主体的に仕事に取り組める人なら、安定した経営基盤のもと、「やりたい仕事」に全力投球できる環境です。
株式会社CFSコーポレーションの求人情報
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株式会社CFSコーポレーション(英文表記:CFS Corporation)
設立 | 1947年9月 |
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所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目3番19号 新横浜ミネタビル4階 |
店舗展開 | 293店舗(2012年8月20日現在) |
企業の特色 | ■中途入社社員向けに充実した研修を用意 ■調剤部門の責任者だけでなく、ドラッグストアの責任者(店長)として経験が積める ■産休・育休の取得実績も多数。時短勤務制度もあり、女性も長く勤められる環境を整備 |
従業員数 | 3,817名(正社員1,302名 嘱託・アソシエイト2,515名)(2012年8月20日現在) ※アソシエイトは8時間換算 |
※この情報は、2013年3月時点のものです