福井県の嶺南6市町の首長や議員、経済団体幹部らでつくる「北陸新幹線若狭ルート建設促進同盟会」が23日、13年ぶりとなる定期総会を同市内のホテルで開いた。関西で敦賀以西のルートをめぐる議論が活発化する中、小浜市付近を通る「若狭ルート」による大阪延伸に向けて、関係機関と連携していくことを確認した。
若狭ルートは1973年、国の整備計画として閣議決定された。しかし、約1兆円とされる事業費がネックとなり、琵琶湖東岸から米原に接続する「米原ルート」、琵琶湖西岸から京都につなぐ「湖西ルート」が浮上した。
同同盟会は72年に設立され、若狭ルートによる整備と敦賀駅、若狭駅の停車実現を目指し、関係機関への陳情・要請活動を行ってきた。敦賀までの着工認可を最優先するため活動を休止していたが、昨年金沢―敦賀が認可着工されたことを受け、2000年以来となる総会を開いた。
この日は約100人が出席。松崎晃治小浜市長が「若狭ルートは、国で閣議決定された唯一公式のルートで、嶺南地域、県全体、沿線地域の飛躍的な発展に大きな効果をもたらす。嶺南地域住民の悲願である若狭ルートの実現に向け、粘り強い運動を展開していきたい」とあいさつした。
国土の均衡ある発展と、嶺南地域の国のエネルギー政策への貢献を考えれば若狭ルートによる整備は当然とし、▽整備計画通り小浜市付近を経過地とする大阪までのルートの一日も早い公表▽全線フル規格による整備―を政府などに要望する決議案を採択した。
13年度の事業計画案も承認。▽国や関係機関への陳情▽建設促進を図るための関係団体との連携強化、情報収集▽沿線住民への広報活動―などを行うほか、6月末までに決起集会を開催する。
役員改選が行われ、会長に松崎市長、副会長に山口治太郎美浜町長、堂前一幸敦賀市会議長が就任した。