五木ひろしさん:母校に 鳥羽時代を公表、加茂小の新校舎完成式 児童「偉大な先輩誇りです」 /三重

毎日新聞 2013年03月22日 地方版

子どもたちと記念写真を撮る五木ひろしさん=鳥羽市立加茂小講堂で2013年3月21日撮影
子どもたちと記念写真を撮る五木ひろしさん=鳥羽市立加茂小講堂で2013年3月21日撮影

 歌手の五木ひろしさん(65)が21日、母校の鳥羽市立加茂小学校の新校舎完成式に出席した。同市で数年間過ごした事実を初めて明かした五木さんは、子どもたちに「大きな目標を持って夢に向かって進んでほしい」と呼びかけた。

 あー誰にも故郷(ふるさと)がある 故郷がある

 ヒット曲「ふるさと」を、万感の思いを込めアカペラで歌った五木さんの胸中に去来するものは……。

 五木さんは鉱山技師だった父に連れられ、同市河内町に転居。幼稚園と小2の後半までの3年間暮らした。同級生は2クラス100人余りで、五木さんは2組。「何を学んだのかはとにかく、遊びに明け暮れた」という。

 五木さんは、同級生で仲が良かったという木田久主一市長の要請で式に出席した。「当時の校舎は既になく、残っているのはクスノキと二宮金次郎像だけ」と話しながら、懐かしんだ。

 式典のあいさつで「とてもきれいな幼稚園の先生が私の初恋だった」と会場を沸かせた後、「この学校に数年間であるにしろ、いたことを、五木ひろしになって初めて胸を張って堂々と公表した」と明かした。「京都で生まれ、鳥羽に来た後、父は志摩に残り、私は母と福井県美浜町に行った。故郷は美浜町と、もう一つ、鳥羽市があることを実感している」と話した。

 加茂小時代から将来は歌手になりたいと思い続けていた五木さんは、予定にはない持ち歌の「ふるさと」を歌い、会場から盛んな拍手を浴びた。そして「必ず近いうちに、この講堂で歌を届けたい」と子どもたちに約束した。式後、駆けつけた同級生たちと市内のホテルで食事しながら旧交を温めた。

 卒業式を終えたばかりの橋本陽君(12)は「こんな偉大な先輩がいるなんて知らなかった。きれいな歌声に感動した。僕たちの誇りです」と話した。【林一茂】

〔三重版〕

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