787:大電流はバッテリー内部で発生 安全委が調査
毎日新聞 2013年03月27日 20時11分(最終更新 03月27日 23時38分)
全日空ボーイング787のメーンバッテリーが発煙し、高松空港に緊急着陸したトラブルで、リチウムイオン電池の配線などを溶かした大電流は、バッテリー内部で発生したことが27日、国土交通省運輸安全委員会の調査で分かった。内部では電池間で火花が飛んでいたことも確認された。
安全委によると、これまでの調査の結果、バッテリー内部にある過充電防止用の装置に過大な電流が通った跡はなく、充電器など周辺機器にも異常は見つからなかった。このため、充電器からの過充電や、バッテリー外部の回線がショートして大量の電流が放出された可能性は低いという。
一方、内部に八つあるリチウムイオン電池のうち五つで火花が飛んだ形跡が計12カ所確認された。電池の容器にも、火花によるとみられる穴が計10カ所見つかった。
安全委は、バッテリー内部で大量の電流が発生し、熱で変形した電池が外箱と接触したため、外箱に接続されたアース線を通じて電流が外に放出されたと判断。大量の電流が発生した原因を調べるため、バッテリー分解調査の結果やフライトレコーダーのデータの分析を進める。【桐野耕一】