この世界選手権の意味、見所
また違った視点で今年の世界選手権をとらえてみたい。この大会には、いくつかの大きな大きな意味がある。フィギュアスケートの世界選手権は、毎年大体3月に開催される、シーズンで一番大事な試合だ。だから選手たちはこの大会に、すべてをかけてくる。
その世界選手権以上に大きい大会はただ1つ。オリンピックだ。ソチオリンピックが来年2月に迫っている今、オリンピック前の大事な世界選手権なのだ。大事なわけは、まず、今大会の最終順位によって、各国のオリンピックの出場枠が決められてしまうから。各国各カテゴリー(男女シングル、ペア、アイスダンス)で、最大3枠。3枠獲得するためには、日本のように、すでに3人出場している場合は、その成績上位2名の順位を足した数が13以下(1位と2位や6位と7位やなど)であればいい。
また、ソチオリンピックで引退を考えている選手は、来年の世界選手権(3月、日本・埼玉)に出場しない可能性が高い。例えば、高橋大輔。7回出場してきた彼にとって、これが最後の世界選手権になる可能性が高い。
男子シングルでは、トップ選手たちは、ショートで1つ、フリーで1〜3つの4回転を跳ぶ。次々に跳ばれる4回転は、男子ならではの迫力に満ちている。
女子では、今季出場した試合ではずべて優勝している浅田のトリプルアクセルの行方や、2シーズンぶりに出場するキム・ヨナの出来が気になるところだ。各選手が、ショート、フリーで3回転+3回転を入れるかも見どころ。また、初出場となるロシアの16歳、アデリーナ・ソトニコワとエリザベータ・トゥタミシェワ、17歳のグレイシー・ゴールド(米国)ら、若い世代の勢いを感じる大会にもなりそうだ。
フィギュアスケートは、見る人によって捕らえ方の違ってくるスポーツだ。ルールや決め事はあるけれど、得点や順位に左右されず、自分のお気に入りを見つけると、一気に楽しくなる。おかしなプログラムや好きな曲、振り付け、衣装、容姿、キス&クライ(得点を待つ場所)でのふるまいなど、きっかけは何でもいい。
毎晩、毎週試合がある野球やサッカーと違って、フィギュアスケートの大会は多くないため、どの選手も、貴重な機会を自分のものにしたいと思っている。対戦型ではなく1人ひとりの出来で評価するため、たとえお気に入りの選手が何人もいたとしても、その瞬間瞬間は、リンクに立っている選手だけを精一杯応援できる。それも、フィギュアスケートのいいところだ。
・国際スケート連盟の世界選手権結果ページ (今季の各選手のプログラムや振付師などがわかる)
・JSPORTS
・スポーツナビ
・フジテレビ (スマホ用アプリもあり)
(文/長谷川仁美)