１９７０年代から日本人は話を聞かなくなったと桜井哲夫というコミュニケーション学の研究者が言っています。

今日は日本人が「話を聞けないこと」を書いてみます。みなさんは友人や親と会話をしていて、「自分の話を聞いてもらえてないな」と感じたことはないでしょうか。

私は電車やファミリーレストランなどで会話を聞いているとしばしば、話を聞かない人を見かけます。私自身もどちらかというと、話を聞かないタイプだと思いますし・・・

では、なぜ日本人は話を聞けないのでしょうか。日本人の思考は古くから「『間』を読む」という言葉があり、ある人がしゃべったことから、推測することで相手の言いたいことを理解する傾向があります。これがまず１つ目の根拠です。つまり、全部、話を聞かなくっても分かってしまうのです。本当は分からないはずなので、分かったつもりになってしまうのです。

２つ目の根拠は他国と比べて日本では、エンドレスの音が多すぎます。例えば、街などでは、「交通規則を守りましょう」とか「エスカレータでの喫煙は止めましょう」といったテープが繰り返し繰り返しかかります。また、電車やバスなど、たくさんのことを教えてくれます。例えば、「乗り換え案内」「バスでのＣＭ、どこどこに行く方はこちらよりどうぞー」といったものである。これはある意味では親切かもしれない。しかし、交通ルールを守っている人、タバコを吸わない人にはまったくもって、関係のない話である。こんなもののせいで、私たち日本人は無意識のうちに、「話を聞き流す術」を覚えてしまっているのである。そして、自分の興味のあることにしか耳を傾けないことも同時に覚えてしまっているのです。
海外などでは下手をするとバスなんか次に止まってくれるところすら言ってくれない場所もあります。

３つ目は話自体が「聞くまでもない話」だからです。特に若い世代が友人といるときなどは「ノリ」が主体で、話を聞かなくっても、理解できるし、ノルことはできます。

４つ目に教育です。日本人は基本的には授業を聞くことを中心に行われています。しかし、聞くだけの授業は疲れてしまいます。寝ている人が多いのは単純に睡眠不足ではなく、聞くことが退屈だからです。そんな「聞くを主体とした授業」からテストは「聞く」ではなく、「書く」ことです。テストは授業を聞いていなくっても、勉強すればできますし、聞く意味がなくなっているのです。

そして、近年は教育もしゃべることや自主性を強調してくるようになりました。しかし、聞くことにはまだ重点はおかれていません。

最後の５つ目として、喋りがうまい人に注目が集まり、聞き上手な人にはあまり注目はあつまらないことです。話がうまい人の方が目立ちますもんね。

このように日本ではしゃべることが主体で、聞くことはだんだんと重要視されない傾向になってきています。自分のしゃべりたいことを聞いてもらうための友達、恋人、よーく考えるとここに帰結しないでしょうか。

あなたは何のために人と会話しますか？