ふぃれぶろ

夕焼けの中下校するセーラー服を身に纏った少女達。彼女らの目には間も無く消え去るかまぼこ屋根の駅舎はどのように映っていたのだろうか？

東急東横線渋谷駅は2013年3月15日を以って、その85年にまで及ぶ歴史に幕を下ろした。
彼女らが今後地上の東横線渋谷駅のプラットホームに発着する東横線の電車を目にする時はもう二度と訪れない。

都心の雑踏の中で85年の歴史に終止符を打とうとしている巨大なターミナル駅。そんな駅の名残を惜しむ人々の後ろに制服を着た少女が佇立していた。誰かと待ち合わせているのだろうか？一人辺りを見回している。
ただ家路を急ぐ者、これから仕事に向かう者、名残を惜しむ者、そして彼女のように誰かと待ち合わせる者。この駅では廃止間際でも様々な人の思いが交錯していた。

ここは東横線渋谷駅…。明日には長い歴史に幕を降ろす駅舎の中で彼女はメタルフレームの眼鏡越しに何を見たか。

撮影日：2013/03/10 キハ28･52 90D(急行1号) 上総東～西大原

エンジン音を唸らせながら峠を攻めるキハ28･52。白Hゴムを装備した国鉄急行型気動車が雑木林のトンネルを抜け、カーブに差し掛かったその姿は正に写真でしか見た事のない国鉄時代の非電化地方ローカル線そのものであった。

撮影日：2013/03/06 485系国鉄色 1053M(北越3号) 市振～越中宮崎

オーシャンブルーに染まる日本海に抱かれながら走る485系国鉄色。国鉄型車両が続々と淘汰される中、今もなお国鉄時代からの特急街道を走る特急型車両として健在な485系の姿は勇ましいものである。

撮影日：2013/03/03 381系国鉄色｢なつかしのくろしお号｣ 下里～紀伊浦神

この撮影地は断崖絶壁の上にあり、立ち位置がとにかくカツかったのだが、海を背に駆け抜けて行く国鉄色の姿は恐怖心をも忘れさせてくれるほどカッコいいモノだった。
海無し県で生まれ、海無し県に育ったせいか、私は海が入る俯瞰アングルが大のお気に入り。紀勢線はそんな私の理想を実現させてくれる路線の一つだと気付かされた一日であったのだ…。