人修羅

東京が死んで、僕が生まれた

200X年、少年は悪魔になる

アトラスから発売されたRPG『真・女神転生III-NOCTURNE』及び、『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』の主人公。
通称は人修羅とされ「ひとしゅら」と読む。
デフォルトネームは設定されていないが、小説版では「間薙シン」、ドラマCD版では「嘉嶋尚紀」の名前が設定されている。
原作にボイスが設定されていないため声はない(全くないわけではなく、戦闘時に「ジャッ!」と勢いの良い掛け声を発する)。ドラマCDでは千葉進歩氏が担当。

元々は都内の高校に通う15歳の普通の高校生で、自発的な行動のほぼない典型的な投影型主人公タイプ
基本的には、プレイヤーが提示される選択肢を選ぶ事によって人間性が決まる。小説版でもその辺は徹底しており、曲がりなりにも主人公なのにあまり台詞がない。
(公式で唯一感情らしい感情を見せているのは上の金子一馬画集IIIの表紙くらい。シチュエーションからしてかなり怖いが、
 後に販売された『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王Plus』のジャケットで、主人公のライドウと鬼気迫る表情で対峙する人修羅が見れる)
「東京受胎」と呼ばれる世界壊滅の際に、謎の金髪の子供に飲まされた禍魂
(作中ではマガタマと表記。悪魔の力や魂が結晶化したもの。石のような無生物なのだが、生物のように動く不思議な物体)
の力により、半人半魔の存在になる。
なお人間から悪魔に変貌するのは痛いのは一瞬だけとかいわれていたが、実際は相当な苦痛を催すらしく、テレビCMではかなり苦しそうにもがいてる姿が確認されたりする。
+  結構苦しそうな人修羅(youtube)

悪魔になると体中に入れ墨のような黒い線が描かれ、それを縁取るように緑色の発光色が付き、うなじの下辺りから角のような三角錐が生える。
緑の発光色は肉体状態によって変化し、手酷いダメージを受けると赤い発光をする。
その名である人修羅というのは「悪魔の体に人の魂」という彼の「悪魔でもなければ人間でもない」という状況を顕して、
作中の人物がそう呼称するだけの種族名のようなものであり、名前自体はプレイヤーが自由につけることができる。
他にも「人でも悪魔でもない、呪われし者」という呼称で呼ばれることがある。
なお主人公はこの状態では常に上半身が裸であり、キャラデザインの金子一馬曰くセクシーさを追求していると言う。
付け加えるとTRPGのリプレイでは種族扱いで女の人修羅のイラストも存在するが、流石に上半身裸と言うわけにはいってない。

今までの作品の主人公達とは違い、人ではなく悪魔であるため、
  • 武器や防具を一切装備できない代わりに、マガタマを文字通り飲み込んだり吐き出したりして、入手スキルを選択したり、耐性やステータスを上下させることができる。
そのため、単純にレベルを上げるだけでなく、マガタマの捜索も行わなければならない。
  • 自分も悪魔なのでハンドヘルドPC、GUMP、COMPといった補助具なしで悪魔との会話が可能(種族による一部例外があり)。
自分で交渉を行う以外にも、仲魔と協力しての交渉が可能。*1

という今までの主人公キャラにない特異性を見せている。
ちなみに女神転生の名を冠するシリーズの中では数少ない、悪魔召喚と魔法の両方が使える主人公でもある。

ガイア教に伝わるミロク経典に記されている魔人 *2であり、混沌の東京に変革をもたらす存在であるとされ、
否が応でもあらゆる場面で彼の選択により局面が動く場面が多くある。
かと思えば、他のキャラのお願いによる、いわゆるお使いさせられるも多く、ある意味パシリといえない事も。
文字通りの混沌のトウキョウで何をするかはプレイヤー次第であり、
他に生き残った人間に手を貸し、その人間の理想(コトワリ)の世界を作る事も出来るし、
混沌だけを残す事も可能ならば、
再び元の世界に戻す(厳密にはよく似た世界に作り直す)事も、
そして身も心も、完全なる悪魔となる事も可能なのである。
どのエンディングに向かうかはプレイヤー次第である。

+  余談

以上、ニコニコ大百科より一部転載、改変。


MUGENにおける人修羅

÷ゆうき÷氏により製作、公開されている。最新版はVer.1.82。

3Dモデルを使ったと思われ、エフェクトのほとんどは自作である。
女神転生やペルソナの主人公は最低限の動きしかせず魔法や技もエフェクトが敵を襲うだけなので、
原作再現を行うと弾幕キャラにしかならないと製作者達を悩ませているが、
この人修羅は原作にはないアグレッシブな動きの数々ながら、人修羅らしさを十二分に表現したファン感涙の出来。
恐ろしいのはそのキャラ製作の早さで、Part1で製作を発表してからおよそ二ヶ月でβ版公開までこぎ着けたほどである。

性能としては攻めてるとなかなか強く、防御に回ってもノーゲージの各種無敵技や当身、コマンド投げなど色々と切り返すことが可能で、
攻撃面・防御面共に充実したゲーム後半の人修羅を思い出すような性能になっている。
原作の彼の持ち技の大半が独自の解釈によるオリジナル動作を交えながら使用でき、
ゲームでは序盤の強力技となる「ヒートウェーブ」は1ゲージの超必殺技扱い(後の更新で通常必殺技に)で、
人修羅の代名詞として有名な最強技「至高の魔弾」「地母の晩餐」は最強の超必殺技であるなど原作のイメージを尊重した出来となっている。
ただ、Ver.1.20から搭載されたプレスパワーシステム(後にプレスパワーゲージへ変更)により、攻撃を食らうとゲージも同時に減少する(現在、やられ:-5/f、ガード:-2/f)縛りが付いている。
ただし、ゲージが減少しても連続技の火力が低下する程度で、ターンを奪い返す分にはあまり困らない。
強いていうなら永久連続ガードで困るくらい。
また、保険としてノーリスクで1ラウンドに付き一度だけ体力が0以下になっても必ず1残る「食いしばり」が実装されている。

Ver.1.40から一部のカラーで能力が大きく変更された。
  • 投げ属性(もしくはステートを奪う攻撃)以外の攻撃を無効化・全攻撃ガード不能の真Ⅲ本編の終盤を意識した9Pカラー
  • ライフ半分以下の時、何度でも自動的に500回復・地母の晩餐が即死級仕様のアバチュ隠しボス版を意識した10Pカラー
  • 投げや当身以外の攻撃を反射する従来の12P性能準拠の11Pカラー
  • 強化できるところまで徹底的に強化し、もはや原作再現を投げ捨てた12Pカラー
となり、準神級の性能を持つようになった。

12Pカラーの参考動画

Ver.1.60からプレスパワーゲージが追加された。
プレスパワーゲージとは従来のプレスパワーシステムを専用ゲージ化・改定したもの。
攻撃を当てるとゲージと共に攻撃力が上昇、逆に攻撃を受けるとゲージが減少し、攻撃力も低下する。
最低まで下がるとゲージが回復するまで必殺技が使用出来なくなる というデメリットが発生するため、
従来より更に攻めを重視する立ち回りが要求されることになる。
専用ゲージ化によってパワーゲージに悪影響を与えなくなったため、タッグ戦では以前よりも立ち回りやすくなっているかもしれない。

2012年4月17日にVer.1.71が公開。ダンテ葛葉ライドウへの特殊イントロ追加、プレスパワーゲージのデザイン変更、技の追加・変更・調整などが施されている。
また、この更新より晴れてβ版から正式版となった。

2012年11月28日にVer.1.81が公開。主に技の演出強化や、永久の解消、新技の追加等が行われた。
現最新版Ver.1.82は2012年12月09日に公開され、技の性能面での微修正が行われている。

最新版動画

AIは現在、Mr.師範のAIを製作したGURI氏作、ガラクタ集め氏作、ATRUS氏作の3つが公開されている。
今のところ、最新版にはガラクタ集め氏、ATRUS氏のAIが対応している。
いずれもAIレベル設定が可能(GURI氏:8段階+α、ガラクタ集め氏:3段階、ATRUS氏:10段階)で、
ガラクタ集め氏のAIは超必殺技の使用パターンが変わる「大技狙いスイッチ」の設定、ATRUS氏のAIは学習機能、任意の相手にジャイブトーク等が可能。
ガラクタ集め氏の現最新版は3/24更新版となっている。
ATRUS氏のAIはβ版(曰く完成度50%との事)であり、現最新版は3/13更新のv1.82.2.2b。また新mugenには対応していないので注意。

AI作成動画

余談だが、前述の『真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス』において『デビルメイクライ』のダンテとメーカーを超えて競演したこともある。*4
そんな彼がMUGEN入りを果たしAIも作られた今、人修羅とのタッグを組める日もそう遠くはないかもしれない…

登場大会

+  一覧

登場ストーリー



*1
このゲーム、というより女神転生シリーズは人間に類さない、超常の存在がまず 悪魔 で一括りにされる。
それこそ天使や女神、宇宙人であろうとまず悪魔なのである。
作品によっては唯一神さえ悪魔呼ばわりし、ぶっ倒したりもしているが、アトラスという会社自体他の会社にはない話題性に富んでおり、
  • 世界二大宗教の対立をしでかしたり、
  • 噂が現実になる影響でナチスドイツが現代の日本ではっちゃけたり(流石に海外発売は自粛したがそれでもナチハンターから警告文を食らっている)、
  • 祟り神や怨霊をゲーム内で扱ったり(きちんと寺社等でお祓いを受けたり盛り塩をしたりするという)、
  • どう見ても性器な体をした悪魔や、不KENZEN的な展開を予測させる内容があったり、
  • 果ては噂だけなら怪事件を予測しただの霊障があっただの、そのため社名は高名な僧に付けてもらって障りを防いだだの、
  • 実際お祓いに行かなかったらゲームの発売日に台風が直撃 なんてことまであり、いやそれはお祓いと関係ないんじゃともいえるが、逆に関係あるんじゃないかと思わせるだけの事があるのも事実であり、

例を挙げればきりがない程である。
そんな手間とサイコリスクをかけてまでゲームを作るのだから、
もうこの会社の怖い物といったら不渡りや倒産位な物なのだろうか。最近になって親会社と悪魔合体したけれどな!!!

とにかく、そのように分けられた悪魔の中でさらに細かく
(大天使、女神、魔神、幻魔、魔獣、妖精、龍王、夜魔、邪神、破壊神、地母神、魔王、幽鬼、外道etc…作品によって細かく変わる)種族毎に分類されていく。
基本的には分類がその悪魔の性質を表し、大雑把に見て
LIGHT (善的要素の大きい)< NEUTRAL (どちらにも属さない中庸)> DARK (邪悪的要素の大きい)
の性質とともに、
LAW (法と秩序を重んじる管理的な思想)< NEUTRAL (どちらにも属し、どちらにも属さない中立)> CHAOS (混沌と自由を好む弱肉強食気質)
という思想を現す属性を見ることができる。
このような分類によって会話の口調に特徴があり、この中では外道といったDARKの性質を持つ種族は、普通の悪魔では会話にならず、
どうしても会話をしたい場合「ジャイブトーク」という会話スキルが必要とされる。
会話によって敵悪魔を味方に引き込んだり、アイテムをもらう事などが非常に重要なこのゲームは、戦闘と同じくらいに会話を楽しむゲームでもあるので、
他にも様々なスキルが存在し、他の作品によってはその作品独自の会話要素があるのも女神転生シリーズの特徴である(会話するコマンド自体がないシリーズも多いが)。
また、悪魔の「 悪魔を殺して平気なの? 」という台詞は女神転生シリーズを象徴する言葉で、旧来のRPGに疑問を投げかける一言でもある。

この属性は真・女神転生シリーズを象徴するもので、NEUTRALに属する人間は生まれ持った気質やその時の行動でLAWやCHAOSにも傾くことになる。
ゲーム本編では、最初NEUTRALに属する主人公の行動と選択によってその都度変化し、エンディングもその属性を現した展開となる。
登場する悪魔の印象や思想内容からしてLAW・CHAOSは善・悪と見られがちだが、単に思想や立場の違いでしかなく、
世界を秩序で統べようと降臨する光輝く天使達、法に縛られない自由を求めて姿を現す古の悪魔達、
様々な思想や信条を持つ彼らを、単なる勧善懲悪で簡単に当て嵌められるものではない。

君は天使による法と光に満ちた千年王国を築いてもいいし、悪魔による無法と化した世界で自由を目指してもいい。
あるいは天使と悪魔の両方を倒し、人類の未来を取り戻してもかまわない。
ただし、千年王国は超越的存在に管理されたディストピアかもしれない。
悪魔による自由の世界は、力以外のあらゆる才能が認められず、か弱い人類には文字通りの地獄かもしれない。
中庸の未来は可能性を切り拓けるかもしれないが、人類にとって臭いものを一時的に蓋をしたに過ぎないかもしれない。
重要なのは、それぞれの主人公が考え選択することであり、どのルートがハッピー・バッドエンドとはいえないのだ。
特にNEUTRALは、一緒に戦ってきた仲間達との対立の果てに殺し合ったり、敵悪魔からは「 あなたは友達を殺して平気なの!? 」と罵倒されるなど、
頼るもの、縋りつくものがない多くの苦難を伴う茨の道である。
おまけに善にも悪にもこだわらず、とにかく敵対勢力を皆殺しにする為、客観的には「 N・Nこそが真の邪悪 」とさえ言われてしまうことも。
母親が悪魔に喰われたり、愛犬が悪魔になったり、色々と人間をやめちゃった友達を殺したりと、フツオカワイソス

*2
増補版である『マニアクス』から本格的に種族として参入してきた存在であり、この作品以外でも特殊なポジションにいる事が多い種族でもある。
I及びIIでも登場していた種族であり、元々他の悪魔達のような明確な出展がある悪魔ではなく(モデルにしたものは存在する)、イメージ先行で作られた悪魔が殆どだった。
その際には今作のようなボスとしてシナリオに絡むことはなく、特定のダンジョンのある地点にしか現れない、いわゆる稀少敵の悪魔というポジションであった。
その遭遇確率は0.04%以下で、今のようにネットが普及していない当時でさえ、攻略本ですらその敵との遭遇場所は伏せられていたという
恐ろしい程のマニア向け要素を含んでおり、更にはその遭遇した魔人が落とすアイテムが輪をかけて非常にレア(遭遇確率に加えドロップ率にも0.04%以下)という事もあって、
マニア向けという枠を超えた準廃人向けという要素であった。
実際難易度調整したIIIの追加名は『 マニアクス 』ではなく『 マゾヒズム 』にしようかと考えていたと語る、冗談に聞こえない話があった程である。

またマニアクスに登場したデザインとして、魔人は皆髑髏の顔面をしている共通点がある。
これはキャラ・悪魔デザインの金子一馬氏が「魔人は終焉の象徴」というイメージを持って描いたため、
人の終焉である死体、すなわち髑髏を取り入れているからである。ゲーム説明書の魔人紹介欄にも「終焉を運んでくる正体不明の悪魔」と書かれている。
作品によっては「不運の象徴」として登場することがある。

*3
真・女神転生IIIは「プレスターンバトルシステム」という一風変わった戦闘システムを採用している。
これはターン冒頭に自PTの行動回数を示すアイコンが表示され、
そのアイコンの数だけ行動すると(0.5消費して自分のターンを仲魔に回す、なども可能)敵PTにターンが回るというものである。
このアイコンの数は基本的に増えないが、攻撃がクリティカルになったとき、敵悪魔の弱点を突いた時に0.5増える。
行動に消費するアイコン数は端数切り上げで計算されるため、一回余分に行動できる事になる。
これは敵にも適合するルールのため、前述のようにバックアタックされると色々とヒドイ目にあう。
特に女神転生シリーズは出現悪魔やボスに対し、対策のために仲魔をコロコロ変えて進むゲームのため、
ロクに対策を行わず、敵PTに行動を回すというのは他のRPG以上に一層危険な行為である。
また、敵悪魔の専用スキルとしてこのアイコンを複数増やすという、ランプの魔人に願い事の数を増やしてと頼むが如くの反則スキルが存在し(獣/龍の眼光他)、
一部悪魔(魔王モト等)はそれを連発する(通称『 モト劇場 』)ため常に1ターンキルの危険が付き纏う。

*4
ダンテが登場するマニアクス版は版権の都合等で再生産されていないレア物と化しており、
おまけにマニアクス版にしかないダンジョンや新たなるボス、ゲームバランス一部改善、追加シナリオ等中身も大幅に改変が加えられており、
通常版より遥かに高い人気を博し、中古市場でも高騰している。
その人気を顧みて、後にダンテをデビルサマナーシリーズに登場する葛葉ライドウに差し替えたバージョン
『真・女神転生 III-NOCTURNE マニアクス クロニクル・エディション』が『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王Plus』と同梱される形で発売。
その事もあって一時期の値上がりからは収まったが、ダンテ版のレア度から未だ中古市場では高値安定で取引されている。