中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

史上初 銀座の街に「成田屋!」「中村屋!」 歌舞伎座開場記念

2013年3月28日 紙面から

 新しい歌舞伎座開場を記念した大規模なパレードと開場式が27日、東京・銀座で相次ぎ開催された。歌舞伎史上初となる銀座の“お練り”には63人の歌舞伎俳優が参加。歌舞伎座で行われた開場式にも99人の歌舞伎俳優がズラリと顔をそろえ、歌舞伎の新時代幕開けを強く印象づけた。

 お練りは「銀座・春のパレード『GINZA 花道』」と銘打ったイベントとして午前10時すぎにスタート。

 あいにくの雨となったが、日本俳優協会の坂田藤十郎会長(81)は「芝居ではお客さんが降り込んでくる縁起のいい門出だと喜んでおります」とあいさつ。「400年の歴史を持つ歌舞伎の新しいページが開かれようとしている。私も若返って皆さんに喜んでいただけるよう精進してまいりたい」と意気込んだ。

 お練りは、中村時蔵(57)を先頭に市川海老蔵(35)ら若手主体の俳優陣は、紋付きはかま姿で5〜6人ずつ11列で進んだ。木遣組や纏組らを加えた総勢約120人が、百貨店や高級店が立ち並ぶ銀座一丁目から銀座四丁目交差点までの目抜き通り約400メートルを練り歩いた。

 沿道は“世紀のお練り”をひと目見ようと約3万2000人の観衆で埋め尽くされ、ひいきの俳優へ「成田屋!」「中村屋!」と威勢のいい掛け声が飛び交った。

 市川染五郎(40)は「今日のパレードは一生に一度のすごいめぐり合わせで、本当に貴重な経験をさせていただきました」と興奮気味にコメント。一方で「皆さまに盛り上げていただいた反面、お客さまの期待に応えていかなければならない。まもなく歌舞伎座が開場し歌舞伎の公演が始まりますが、とにかくお客さまに満足して帰っていただけるよう心がけたい」と気を引き締めていた。

 群馬県高崎市から駆けつけた60代の夫婦は「娘がラブリン(片岡愛之助の愛称)のファンなので写真も撮った。雨の中で待って大変だったけど、江戸情緒が出ていて良かった。団十郎や勘三郎が亡くなったので、海老蔵や勘九郎ら若手に期待したい」と話した。

◆厳粛な雰囲気で開場式

 開場式は新しい歌舞伎座に約1800人の関係者らを招いて行われた。一番太鼓が打ち鳴らされ、中村梅玉(66)、松本幸四郎(70)、尾上菊五郎(70)が出演して開場記念の祝儀曲「寿式三番叟」(ことぶきしきさんばそう)を上演。午前中に行われたお練りの熱気とは対照的な雰囲気の中、新たな歴史の第一歩を踏み出した。

 4枚の新しい緞帳(どんちょう)が披露された後、舞台上には俳優ら関係者108人が登壇。藤十郎は「第五期歌舞伎座は東日本大震災からの復興を象徴するもの。国民はもとより、広く世界の人たちに愛されるよう一生懸命舞台を務める」と祝辞を述べた。

 松竹の迫本淳一社長は閉場から再開場までの約3年間に市川団十郎さんや中村勘三郎さんら5人の名優を亡くしたことに触れながら「これから新しい息吹を入れるのが私たちの役目。最高の舞台をつくっていく」と強調。最後は菊五郎の音頭で手締めを行い、祝賀ムードを盛り上げた。

 28日には歌舞伎座に再び俳優らが勢ぞろいして「古式顔寄せ手打ち式」が行われ、4月2日からこけら落とし公演が始まる。

 ◆開場式に出席した主な著名人 海部俊樹、福田康夫、小泉純一郎、森喜朗、前原誠司、鈴木宗男、石原伸晃、松たか子、五木ひろし、山川静夫(敬称略)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ