ホリエモンに聞く「刑務所で規則正しい生活」３０キロ体重減

最新刊の著書を手に欠けた前歯をアピールした堀江氏

　旧ライブドア（ＬＤ）の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載など）の罪で懲役２年６月の実刑が確定した堀江貴文元社長（４０）が２７日、服役していた長野刑務所から仮釈放された。服役期間は約１年９か月。収監前より体重が約３０キロ減った堀江元社長はその後、都内で会見。「万感の思いです」と刑務所生活を振り返り「この痛い経験を糧に頑張っていきたい。どうかよろしくお願いします」と深々と頭を下げた。今後はＩＴ系事業以外にも、ロケット開発や刑務所から釈放された人などを支援する更生保護施設に協力していく考えを示した。

　―刑務所生活は？
「長野刑務所の工場で働いていた。最初は東京拘置所。その後、１週間くらいで長野刑務所に移った。ほとんどの受刑者が身体障がい者や認知症。人数は３０～４０人。衛生係として配食、洗濯物の管理をした。住み込みの家政婦さんのような役割で、介護の現場に近い。刑務所は時間も決まっていて汗水垂らしてどなられながら働く過酷な現場。ほかにゴルフティーを作ったりしてました」

　―今後の事業構想は？
「正直、ライブドアの社長を辞めた時は、ＩＴの仕事はおなかいっぱいと思ったが、そろそろやってもいいかな、と。今は、ニュース批評ができるサイトを事業化していきたい。最近のソーシャルゲームはあんまり興味ない。興味ないけど、すごいもうかってるなあ、と。集中しすぎると、前みたいにライブドアのようになるので。だから、あんまり、興味のないことはやらない」

　―ほかに？
「更生保護施設を手伝いたい。刑務所を出て身寄りのない人を保護したりする。社会復帰を円滑にできるようにしている。刑務所にいる人は極悪非道な人でもなくて、普通の人。凶悪犯というより、トラウマなどを持っている人がいる。新聞の社会面とか読んでそういう事件が多いなと思う」

　―激ヤセした
「高校、大学時代は今ぐらいの体重。会社をたち上げ、上場してプレッシャーもあり、忙しかった。プレッシャーで太るタイプ。酒と食事でストレス発散して２０年で３０キロ太った。刑務所で規則正しい生活を久しぶりにして、やせました。収監時の体重は９５・７キロ。刑務所では、ご飯、みそ汁と納豆が出る。週に２回、納豆。苦手だったが、食べられるようになった」

　―内面も変わった？
「変わったかもしれないし、変わってないかもしれない。（昔は）若かったし、怖いもの知らずだった。イケイケで反発も受けたが、それでもいいやと。（逮捕で）かなり、正直、学習しました」

　―結婚は？
「全くないですね。私は過去、できちゃった結婚して、離婚している。あんまり、考えてもしょうがないかな、と」

　―お金について
「お金は便利なツールだが、プラスでもマイナスでもない。自然体で付き合っていけばいい。かつては表現がどぎつかったのかな、と。単なる道具。ニュートラルに付き合っていけばよい」

　―政府の金融緩和策で株式市場も盛況だ
「もともと株式投資は興味ない。自分の会社が上場して調べたくらい。自分で株も買わない。ただ、（景気が浮揚するという）ムードはいい。バブルは起こり、はじける。それを繰り返す。投資は全財産を突っ込むようなものではないし、安全な資産で残してください」

　―検察について
「正義という言葉ほどうさん臭いものはない。正義は主観的なもの。検察の起訴の判断、特捜部、刑事部など今の状態は良くない。このままでは、冤罪（えんざい）事件が起きる」

　―最後に
「この教訓、痛い経験を糧に、ご迷惑をおかけすることがないように、気を引き締め、新しい価値を創造できるよう頑張っていきたい」

（2013年3月28日06時03分スポーツ報知）