とにかく読み物としての面白さもかなり高く、1日で読み切ってしまった。 軽妙でいて薄っぺらではなく、絶妙のバランス感覚が素晴らしい。
本書を読むとき、あなたが超能力ビリーバーならば恐怖を感じ、否定派ならば困惑し、知識あるSkepticならば腹を抱えて大笑いし、やがて事態の深刻さを憂うであろう。
スターゲイト計画をはじめ、軍が超能力研究に力を入れてきた流れを、当時の人物達へのインタビューから綴る内容は、貴重な情報を提供してくれる。 時期も、ヒッピー以降から2004年までが主眼であり、軍部が中心だが、その周りにはユリゲラー、SRV、コートニー・ブラウンやヘブンズゲート事件、9・11などが配置されている。(しかも安直な陰謀論本やビリーバー本ではない!)
軍が超能力系のテクノロジーに期待を寄せる背景に、ベトナム戦争のトラウマがあり、軍部もまた大衆側のニューエイジ運動に感化された人材が大勢いたようである。平和的な非殺傷兵器の導入を目指して提案された平和的な提案。。。結果としてグロテスクな方向へゆがめられていくが。
いずれにしても、この分野に興味と、ちょっとした知識がある―たとえばSRVを信奉している人は無知とする―ならば、読む価値があるだろう。やや賛同しかねる記述もあるが面白い。