大きな揺れと津波が襲ってから3週間たった宮城県三陸町。高台に建つ古い小屋の前で焚き火を囲んでいる人たちがいました。自力で避難生活を送っているとのこと。小屋の中では、ろうそくとストーブの明かりを頼りに夕飯の準備が行われていました。カメラを持つ私に、おばあさんが言いました。「この集落にはまだ救援物資も届かないんです。この状況を撮ってください。伝えてください。」涙を流しながらごはんをよそう女性。黙々と食べる子ども。冷えた足先をさする老人。彼女たちの気持ちは、その表情やしぐさに表れています。言葉で説明しなくても、見ればわかります。現場に立ち、感じ、その伝え手になれる。張り合いのある仕事です。
カメラを担いで毎日現場に行きます。相手は政治家だったり、事件事故だったり、最近話題のあるモノだったり。もみくちゃになることも猛ダッシュすることもあれば、何時間もじっと立って待つこともあります。
どのポジションからどう撮ったら、わかりやすく、より強く伝えられるのか、試行錯誤しています。