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[GDC 2013]AMD,クラウドゲームシステム向けグラフィックスカード「Radeon Sky」を発表。お久しぶりの「Ruby」もチラ見せ
Matt Skynner氏(Corporate VP & General Manager, Graphics BU, AMD) |
ゲーム市場は1000億ドル以上の市場規模があり,だからこそAMDが力を入れる価値がある……という論調 |
最初に紹介されたのが,ゲームコンテンツ開発への技術協力に力を入れているというテーマだ。
GDC 2013初日のレポートでお伝えしたように,AMDは,日本でも4月25日に発売予定となっている「TOMB RAIDER」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)のPC版で,主人公ララ・クロフトの毛髪レンダリングで開発に協力した実績がある。
TOMB RAIDERの開発元であるCrystal Dynamicsのシニアアートディレクター,Brian Horton(ブライアン・ホートン)氏がイベントに登場。毛髪レンダリングの開発におけるAMDとの協力体制について述べていた |
ビデオレターで登場のKen Levine氏(Presidient&Creative Director,Irrational Games) |
ビデオに登場したのは同社の社長兼クリエイティブディレクターであるKen Levine(ケン・レヴィン)氏で,氏は,AMDの技術サポートが極めて手厚かったことに感謝の意を示していた。
Neal Robison氏(Senior Director, Software Alliance, AMD) |
Radeon Skyカードを掲げるDavid Cummings氏(General Manager, Professional Graphics, AMD) |
クラウドゲーム環境向けのグラフィックスカード,Radeon Sky |
発表時点のラインナップは,最上位となるデュアルGPUモデル「Radeon Sky 900」と,ミドルクラス市場向けモデル「Radeon Sky 700」,そしてエントリーモデル「Radeon Sky 500」の3つとなる。
いずれもコアーキテクチャは「Graphics Core Next」。シェーダコア「Stream Processor」の数は順に3584基,1792基,1280基とされているので,Radeon Sky 900は「Radeon HD 7950」相当のコアを2基,Radeon Sky 700は1基搭載したカード,Radeon Sky 500は「Radeon HD 7870」相当のコアを1基搭載したカードと見ていいだろう。
発表時点におけるRadeon Skyシリーズのラインナップ |
サーバー向けモデルということで,3製品はいずれも,ファンが搭載されない,パッシブクーリング仕様となっている。一般ユーザー向けではなく,サーバーメーカーや事業者向けの,いわゆるBtoB製品となるため,価格の発表はなかった。
Radeon Skyはサーバーに搭載されるカードとなるため,冷却システムはパッシブ方式となる |
Cummings氏によれば,Radeon Skyを搭載したGPUサーバーベースのクラウドゲームサービスはすでにテスト運用が始まっているとのこと。ローカル実行ではあるものの,発表会場には,クラウドゲームサービスの事業者であるCiiNOW,そしてクラウドレンダリングサービス事業者のOTOYがそれぞれ実演デモを披露した。
ゲストとして登壇したCiiNOWのChris Donahue(クリス・ドナヒュー)氏によれば,同社のクラウドゲームサービスは遅延が極めて小さく,Gaikaiと比べて27%,ある競合と比べて48%も遅延が短いという。
Chris Donahue氏(VP of Marketing and Publisher Relations, CiiNOW) |
クラウドゲームサービスにおける大敵は「遅延」。CiiNOWのサービスは低遅延が特徴だが,これはRadeon Skyの性能に助けられているとアピールされた |
CiiNOWのクラウドゲームサービス実演(左)と,GPUサーバー(右)。会場では実際に稼働させた状態でのデモが披露された。なお,搭載されるRadeon Skyの型番と枚数は非公開 |
CiiNOWのクライアントはタブレット端末にも対応。PC版「Dues Ex: Human Revolution」を,720p解像度で表示し,「Xbox 360 Controller」でプレイできた |
OTOYは,ディスプレイ3枚を使い,解像度4800×2560ドット解像度でTOMB RAIDERを動かすデモを披露した。写真奥,OTOYのポップの下に見えるGPUサーバーが処理を担当している。こちらも搭載Radeon Skyの型番は非公開 |
あのRubyが長髪になって帰ってきた!
Rubyをチラ見せしたCarl Jones氏(左,Director, Business Development, Crytek)と,Chuck Brungradt氏(右,President, Illfonic)。寸劇を披露したのもこの2人 |
ただ,大画面プロジェクタではなく,ステージ上のディスプレイで公開されたので,後席にいた聴講者にはほとんど見えずじまい。筆者も一眼レフカメラの動画撮影機能を使って,望遠でかろうじて一部を直撮りできたといった具合だ。下に示したムービーは,そんなわけで序盤が乱れ,かつ,途中までピントも合っていないが,そのあたりはご了承を。おそらくAMDとしては,まだきちんとした形ではまだ見せたくないのだろう。
さて,数年ぶりの登場となるRuby新作は,映画「エクスペンダブルズ2」の監督として知られるハリウッド映画監督・Simon West(サイモン・ウエスト)氏によるディレクション下で制作されており,Crytekの「CryENGINE 3」上で実装されているという。
まだまだα版といったレベルで完成度は低く,流れたものも30秒程度。関係者に聞いたところ,最終的な作品を公開できるのはSIGGRAPH 2013のタイミングになる見込みとのことだった。また,同関係者によれば,TOMB RAIDERで実装された毛髪レンダリング技術「TressFX Hair」も実装されるという。そのためか,短髪クールビューティだったRubyの髪が,今作ではやや長髪気味になっているのは印象的だ。
久々となるRubyの活躍に期待していよう。
CryENGINE 3用シネマティック編集ツール「Sandbox」上で,任意のカメラ視点から映像が見られるようになっていることが披露された。リアルタイム映像であることの証明,というわけである |
Radeon Sky製品情報ページ(英語)
GPU Technology Conference公式Webサイト(英語)
- 関連タイトル:
FirePro&Radeon Sky
- 関連タイトル:
Radeon HD 7900
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