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がれき付着物の影響調査/三沢
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東日本大震災による大量のがれきが北米大陸西海岸に漂着し、海洋生態系への影響が懸念されている問題で、米国の研究者3人と日本の大学関係者が19日、がれきの流出元の一つである三沢市の三沢漁港を訪れ、日米合同の海洋生物調査を行った。同漁港周辺で採取した海洋生物を米国の研究機関などで遺伝子解析し、生態系への影響を調べる。調査は20日まで。
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同漁港を訪れたのは、オレゴン州立大学ハットフィールド海洋科学センターのジョン・チャップマン研究員や、東邦大学の風呂田利夫教授(海洋生態学専門)ら約10人。
東邦大学によると、昨年6月に米国西海岸オレゴン州に流れ着いた同漁港の浮桟橋(長さ約20メートル、幅約6メートル、高さ約2メートル)からカニや海藻など多数の付着物が発見され、地元の研究者らが駆除を実施したという。
調査では、風呂田教授らが潜水し、同漁港の浮桟橋に付着したムラサキイガイやユウレイボヤ、ワカメなどを採取。県や市の担当者から漁港地区の震災当時の様子や復旧状況などを確認した。
チャップマン研究員は「外来種の侵入防止につながる極めて重要なデータになる」と調査の目的を説明。漂着した同漁港の浮桟橋の一部がオレゴン州で展示されていることにも触れ、津波被害を後世に伝える意義を強調した。
風呂田教授は「日本からやってきた生物が米国の在来種を追いやってしまった過去の事例もある。三沢漁港で付着したものがどの生物なのか、調べていきたい」と述べた。
チャップマン研究員らは29日まで日本に滞在し、東京湾や四国の太平洋沿岸でもサンプル調査を行う。
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