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鬼神信仰 弘大が総合的に研究
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鬼神社に奉納されている農工具を調査する弘大の学生ら=2012年7月(文化財論講座提供) |
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弘前大学人文学部文化財論講座は本年度から、弘前市鬼沢にある鬼(き)神社の奉納品の調査・保存と、岩木山麓の鬼信仰に関する研究に取り組んでいる。調査・研究は3年間の予定で、初年度は鬼神社の奉納品のうち、農工具など金属製品18点の調査を行った。同講座の関根達人教授は「奉納品の保存とともに、鬼の信仰を総合的な観点で研究したい」と話している。
鬼神社は、全国的にも珍しい農工具を奉納する風習があり、神社の内外に、くわやおのなどの額が掛けられている。長年風雪にさらされ劣化が進んでいたため、同神社の氏子が市教委に相談。同大が保存に向けて調査することになった。
昨年7月に、関根教授と片岡太郎特任助教、学生18人が鬼神社を訪れ、金属製の奉納品18点を調査。農工具で最も古いのは1897年に奉納された鉄製の鋤(すき)刃で、奉納は19世紀から行われていたことが分かった。また、鉄や銅で作られた大きな「鬼のわらじ」は、青森市など地区外の人が奉納していたことも判明した。
18点のうち特に劣化の激しい1点以外は、今夏の例大祭が終わった後、弘大で保存処理を行う。また、同講座の教員6人が宗教学、民俗学、美術史など多様な視点から鬼信仰の研究を進める。
同神社の藤田湖一・氏子総代長は「奉納品の劣化が気になり、何とかしたいと思っていたが、大学の専門家や学生が協力してくれてうれしい」と話す。
関根教授は「七日堂祭などの行事だけでなく、鬼信仰に関わる資料の存在にも光を当てたい。調査後は、鬼沢を巡るツアーなども企画し、若い人に鬼信仰に関心を持ってもらえれば」と話している。
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