再生の原風景 渡良瀬
ラムサール条約への登録候補地、渡良瀬遊水地の魅力を写真で紹介
【経済】シャープ 鴻海出資届かず 資金の調達 暗雲経営再建中のシャープは二十六日、資本業務提携する台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から、払込期限の同日までに約六百七十億円の出資金が払い込まれなかった、と発表した。シャープは九月に二千億円の転換社債の償還を控える。だが、資本提携した韓国電機大手のサムスン電子と米通信技術大手クアルコムから出資の上積みは期待できず、鴻海との交渉もサムスンとの関係が複雑に絡み合う。シャープの資金調達は難航しそうだ。 出資がいったん白紙になったことについて、シャープは鴻海が台湾当局から許認可を得られなかったため、と説明している。奥田隆司社長は「鴻海とは可能な限り交渉を続ける」と強調している。 だが、鴻海との交渉継続には、シャープが液晶テレビのライバル関係を超え提携したサムスンの存在が影響しそうだ。鴻海は、大型液晶パネルの製造で堺工場(堺市)を共同運営するシャープとの関係を「さらに発展させたい」とする。ただ、サムスンの利益につながるシャープ支援に「打倒サムスン」を掲げる鴻海の郭台銘会長の胸中は穏やかではないようだ。 鴻海も業績が主要取引先の米アップルがスマートフォン「iPhone(アイフォーン)5」の需要を減らした影響で低迷。事実上のアップル下請け工場となった、シャープの中小型パネル生産の亀山工場(三重県亀山市)の共同運営も、技術流出を恐れるシャープが拒否している。 一方、サムスンやクアルコムは、苦戦しながら技術流出を警戒するシャープへの追加出資に積極的ではないとの見方もある。 シャープは昨年、主力取引銀行から融資を受け一時的には資金繰りにめどをつけた。だが、転換社債の償還が迫るなか「鴻海からの出資があっても足りず、最低でも二千五百億円の資金が必要」(SMBC日興証券の白石幸毅シニアアナリスト)との指摘もある。 ◆「出資協議継続」 鴻海が声明発表台湾の鴻海精密工業は二十六日、シャープへの出資に関して、両社が協議を続け早期に実現するよう期待する声明を発表した。 声明によると、シャープと鴻海の幹部は二十四日に会議を開き、「顔を合わせて五時間の議論をし、双方が協力を継続する方向を確認」したという。 昨年三月の合意に関し有効期間が三年だとして、シャープへの約9・9%の出資が「できるだけ早く進むことを希望している」と強調した。 PR情報
|