放射性廃棄物:導入後押し処理「広報」事業、原子力委員のNPOが受注

毎日新聞 2013年03月26日 東京夕刊

 原子力委員会委員の秋庭悦子氏(64)が就任前に所属していた国のエネルギー関連委員会で審議し導入した経済産業相認可法人の事業を、自ら設立したNPO法人が独占的に受注していることが分かった。事業はNPOが直接受注できないため元請けを通じたが、元請けが変わっても下請けのNPOはそのままだった。秋庭氏は一時、発注元の経産相認可法人の委員も兼務。発注総額は6年間で1億4000万円余に上る。(社会面に「原発プロパガンダ」)

 この事業は経産相認可法人「原子力発電環境整備機構」(NUMO)が発注した「高レベル放射性廃棄物ワークショップ事業」。07年4月、放射性廃棄物最終処分場の設置可能性調査に応募していた高知県東洋町が反対運動などで応募を撤回したことを受け、草の根レベルで廃棄物処理について学ぶ場が必要として07年11月、資源エネルギー庁に置かれている総合資源エネルギー調査会・原子力部会の下部組織「放射性廃棄物小委員会」の提言を受け始まった。

 秋庭氏は当時、原子力部会の委員で、提言の報告書案を審議した07年9月の部会で「東洋町の時には残念な思いをした。国民全体に対する広報をもっと拡充していただきたい」と、事業を後押しする意見を述べていた。秋庭氏はこのころ、NUMOの情報公開適正化委員も兼務していた。

 NUMOなどによると、事業は08年2月に始まり、10年度までは企画書で優劣を決め随意契約する「企画コンペ」を実施し、2〜5社の応募があったとされる。参加資格は財政規模や生産高などを点数化したランク付けに基づくためNPOは参加できないが、秋庭氏が理事長だったNPO法人「あすかエネルギーフォーラム」は公益財団法人・日本生産性本部とジョイントし、同本部を元請けに下請けとして受注。東日本大震災直後の11年度はコンペを経ず両者で受注していた。

 12年度には生産性本部がエネルギー事業から撤退したため、あすかは東京都内の広告会社と組み、同社が1社応札して約4000万円で落札した。事業では元請けがワークショップ(学び合う場)の会場確保などを担い、下請けのNPO側がネットワークを使って参加者を集め、進行などを担当。あすか関係者らによると、あすかは年約1000万〜2000万円の事業費を受領したという。

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