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トレッキングバイク考察
脱線して、セロー、シェルパのライバルと言われるバイクについて
私の認識では、自走で現地まで行き、トレッキングするのに向いたバイクと言うのは、(2007年3月現在)セローとシェルパしか存在しない。現地まで自走で楽々100km/h巡航可能でトレッキングに十分な1速があること。たったこれだけのことをクリアできるバイクが少ない。ほとんどのバイクは低速が足りない上に高速側も厳しい。

・・・が、一般的にセロー、シェルパとライバル視されるバイクと言うのは、他にも存在する。基本的には短足で低速で扱いやすいOFF車がライバル視されることが多い。SL230、XR230、DJEBEL200あたりが該当する。車高が低くて、パワーは無いが扱いやすいことが共通の要素で、そこからすると250ccフルサイズ(249cc)で26馬力のシェルパはやや外れた存在だった。足付きの良いバイクのほうがトレッキングに適しているのは確かだが、最低地上高が低いと障害物乗り越えるときに腹がつかえる。アンダーガード無しで最低地上高も低いバイクではトレッキング向きとは言えない。

もっとも、本命のセローが250ccになってしまったため、250ccが主流になってしまったのではないかと思う。

SLはトレッキングバイクかもしれないのだが、私がトレッキングバイク欲しいと思ったときには現行車ではなかったため、検討しなかった。しかし、今見てみると非常に魅力的だと思った。アンダーガード付きで260mmの最低地上高、非常に離れた1速6速、ハンドル切れ角51度、重量はセロー225よりも軽い。トレッキングに必要な性能が揃っている。1速の低さはセロー225には及ばないが、エンジンはセロー225よりも低速、トルク寄りセッティングになっている。
個人的には、トレッキング性能はSHERPAでもそこそこ足りるのでそれと似たようなレベルであれば良く、最高速度はSHERPAが上なので、そこまではSHERPAの方が良いが、10Lタンクと大型ライトはSHERPAに不足しているものなので羨ましい。山中では燃料も心細いから。

航続距離と車重のバランスは住んでる場所によって大きく異なると思うが、首都圏在住の自走派にとっては、航続距離は非常に大きな問題だと思う。
XL125R(参考) DJEBEL125 XL200R(参考) DJEBEL200 SL230 XR230 セロー225
セロー250
シェルパ
XR250(2000) DJEBEL250XC(参考)
エンジン             空冷4サイクル
SOHC223cc
空冷4サイクル
SOHC249cc
空冷4サイクル
DOHC249cc
空冷4サイクル
SOHC249cc
油冷4サイクル
DOHC249cc
最大出力 12/9000 14/9500 18/8000 20/8500 20/7500 20/7500 20ps/8000rpm 21ps/7500rpm 26ps/9000rpm 28/8000 30ps/8500rpm
最大トルク 1.0/7500 1.1/8000 1.7/6500 1.8/7000 2.1/6000 2.1/6000 1.9kg/7000rpm 2.14kg/6500rpm 2.4kg/7000rpm 2.6/7000 2.8kg/7000rpm
3.083
1.941
1.400
1.130
0.923
0.785
  2.769
1.722
1.272
1.000
0.777
3.000
1.933
1.437
1.095
0.913
3.083
2.062
1.450
1.130
0.960
0.810
3.083
2.062
1.450
1.130
0.960
0.810
1速 3.090
2速 2.000
3速 1.428
4速 1.125
5速 0.925
6速 0.793
1速: 2.845
2速: 1.812
3速: 1.318
4速: 1.035
5速: 0.821
1速: 3.090
2速: 2.125
3速: 1.500
4速: 1.148
5速: 0.961
6速: 0.851
2.769
1.882
1.380
10.83
0.923
0.814
1速 2.416
2速 1.733
3速 1.333
4速 1.111
5速 0.952
6速 0.826
1速:6(5)速比          3.8   3.9 3.47 3.63 3.40 2.92
一次減速 3.333   3.307 3.157 3.09   3.318     3.100  
二次減速
(スプロケ)
3.533   3.000 3.077 3.000   3.076  
前ブレーキ ドラム   ドラム                 
後ブレーキ ドラム   ドラム                 
ハンドル切れ角         51度 51度 51度 51度 51度 45度
シート高 840 810 840 800 810 810 810 870 885mm
軸間距離 1355 1385 1370 1405 1360 1360 1420 1450
最低地上高 265 260 270         285 265 270 295
最小旋回半径 2.1   2.1   1.9 1.9 1.8 2.1 2.3
重量 114   114         126   130  
乾燥重量 106 106 106 105 108 115 111 116 118kg
燃料タンク             10L 9.8 9 9.7 17L


トレッキングに必要なエンジン特性(馬力、トルク)と減速比
エンジン出力に注目すると、セロー225とXR250は最大馬力と最大トルクの発生回転数が同じだ。セロー225の最大トルクは1.9kg、XR250は2.6kg。同じ回転でトルクが出るのはXR250であって、セロー225の方がトルクが少ない。その割に低回転でセロー225が強いと言われる理由は何か?まず1つは同じ排気量あたりの馬力に注目。1000ccあたりの馬力を計算すると、セロー225は89.7馬力/L、XR250は112.4馬力/L。排気量あたりの馬力が少ないほど、低回転でも走りやすい傾向が有る。最大馬力を上げるためには、最大馬力付近の回転数に合わせてチューニングする必要があるためだ。トレッキングするのに最大馬力付近の回転数を使うことは多くは無い(低排気量車では使うかも)。

理由はもう1つ有って、こちらが重要。減速比である。同じ速度で走るために必要なエンジン回転数が高いほうがトレッキングに適している。10km/hで走る場合セロー225なら2685回転/分、XR250では2252回転/分。後輪トルクは、エンジン回転数×エンジントルクになるので、そもそも同じ速度での回転数が高いほど有利。

エンストせずにエンジンが回るためにはある程度の回転数が必要だが、2000、2500回転と言うのは低すぎて、あまり得意な回転数ではない。このあたりの回転数では、エンストしなくても、出力は心細い。同じ速度で走るのにエンジン回転数が、2551回転か2140回転かは非常に大きな差がある。ちなみに、トレッキングに向かないと言われるDJEBEL250XCでは10km/hで走るためには1速でも1972回転/分となる。そりゃ、トレッキングには向かないだろう。
単純に、トルクが必要な雪アタック。  足着きが重要になる、氷上。背の高いバイクで苦戦中。

人間が得意な速度とバイクが得意な速度の重なる部分が2足2輪で最大のパワーを発揮できる速度
例として10km/hのときに何回転かを計算したが、この10km/hには実は重大な意味がある。トレッキングで最大の走破性を得るためには2足+2輪のパワーが両方使えなければならない。人力で効率良く押せる速度は4〜10km/h程度であり、それより速いと連続的な人力アシストが期待できない。身長があれば、小さい人がセロー225に乗ったときと同レベルでXR250でも足が着くかもしれないが、足で押すのに適した速度は身長差にはほとんど影響されず0〜10km/h付近である。また、上り坂の再発進時のような場合、1速が高いバイクではクラッチ使っても再発進が苦手な傾向が強い。後輪駆動力が足りずエンストするか、そうでも無ければグリップせずに掘ってしまう。
人間が得意な速度はバイクには遅すぎて、通常のギヤ比のバイクでは2足2輪で効果を出しにくい。2足2輪を生かすためには、バイクから見ると極低速で走らなければならず、1速が極端に低くなければならない。ちなみに、人間側の都合で言えば、10km/hは速すぎ。4〜8km/hあたりで安定して走れると便利。時速6km/hで安定して走れるバイクがあれば、2足2輪に最適・・・となりそうだ。

そこで登場するのがXR100モタード。タイヤサイズや最低地上高、最高速度の関係で自走トレッキング向きとは言いがたい面があるが、ノーマル状態でも10km/hで3363回転/分。2足2輪にかなり適した回転数だ。DJEBEL125でも3082回転/分。元々ギヤの低い低排気量車をさらに極端にローギヤ化すると、2足2輪に適したバイクになるかもしれない・・・が、現地までの自走が厳しい。

昔、舗装路を走るにも苦労するくらいピーキーでトルクの無い50ccバイク(TDR50)に乗っていたが、こいつが周囲の予想を裏切って、トレッキングでもずいぶんよく登った。理由は、ギヤが低いため人力で有る程度の速度まで出せればパワーバンドに入るため。バイク単独では屁にもならないが、人力を加えることでけっこうな登坂力を得ることができる。TDR50は85km/h巡航が可能(と言うか、パワーバンドでしか走れないので、6速は85km/h以上でしか走れない。最高速度は100km/h未満。95km/hくらい)で、トレッキングもこなせた。排気量が大きければこれよりずっと楽だろうと思ったが、そうはならず、5速のSOHC200ccクラスではトレッキングは楽ではなかった。理由は、5速で巡航速度を稼ぐと、1速が非常に高くなるため。

速度を維持したまま走れるなら、1速が低いことが必須ではなくなる。腕が有るなら、速度と勢いで切り抜けることも可能だろう。速度で切り抜けるなら、低い1速よりも、適度に伸びがあり、クロスした2速、3速を持つバイクのほうが乗りやすいかもしれない。腕と体力が有るならパワーに余裕のある400ccクラスで楽々走れる人も居るかもしれない。

・・・が、嵌ったときには、2足2輪に強いバイクのほうが脱出しやすい。生還率を重視するなら、2足2輪に強いバイクが良い。勢いで通過できても、助走無しで通過できないのでは1回の失敗が致命傷になる。

ちなみに、SHERPAでもトルク不足でエンストすることは無く、どちらかと言うと掘ってしまう。400ccはグリップさせることが難しいのではないかと思う。

XR230やDJEBEL200はトレッキング向き?
スペック上はセロー225よりもSL、XR230の方が低速寄りだ。同じ20馬力を出すのにセロー225は8000回転、SL、XR230は7500回転だ。ならば、セロー225よりもXR230がトレッキング向きかといえばそんなことはなく、アンダーガード無しで最低地上高245mmしか無い。さらに乾燥重量も111kgあり、少々重い。
トレッキングがどうだと言うより単に乗りやすさを優先したバイクなのではないかと思う。250ccクラスの本格的なOFF車はたいして速度が出るわけでもなく、車高が高く日頃乗りにくい。オフロード走行の比重を下げ、もう少し使いやすくしたのがXR230なのかな?と思っている。XR230が不幸なのは、OFFを攻めたいならXR250が有るし、トレッキングに使うなら先代のSL230の方がことごとく優れているように見えること。XR250では苦しい小柄な人でも乗れるOFF車なのかも。

DJEBEL200はトレッキング用途を意識しない万能車だと思う。現在のトレッキングはセローが開拓した分野だと思うが、DJEBEL200は外装変えてセル付けたSXであり、基本的な設計はセローより古い。開発時期的にも合わない。

4スト200ccというクラスは昔はたくさん有ったのだが、200ccクラス自体あまりトレッキングには適していないと思う。昔、XL200Rには乗ったことがあるが、かなり非力なバイクだった。トレッキングに十分な低速は持ち合わせていないし、同時に十分な高速も無い。とは言え、スズキには先見の明があったかもしれない。4スト200ccクラスはだいたいシート高840mm程度で最低地上高260mm程度が普通だった。SX200はシート高が低い割には最低地上高260mmを維持していて、そこそこ高い。260mmはトレッキングには若干低目ではあるが悪くない数字だ。価格は驚異的に安く、高価なバイクよりは気軽に変なところにも入っていけるように思う。

ただし、ハンドル切れ角が少なく小回りが効かない。長さと重さ、高さの面で250XCよりはマシだが、回転半径2.3mはOFF車の中でも大きく、ホイルベースの長い250XCと変わらない。また、エンジンは最大トルク7000回転、最大馬力は8500回転とDJEBEL250XCと同じ。200ccでありながら、223ccのセローやSLと同じ馬力が出ており、比較するとけっこう高回転、高馬力型だ。
(それでいて250XCより200の方がエンジン特性でもトレッキング向きとされる理由の中で一番大きいのは200の3.00に対して2.416と異様に高い250XCの1速ギヤ比なのではないかと思う(1次、2次減速はほとんど同じ))
5速しかなく低速寄りにすると上が苦しく、高速を維持したままでのトレッキングにはぜんぜん向かないように思う。やればできるかもしれないが、バイクの能力がどうだと言うよりは、シート高が低いので人間の駆動力を生かしやすいというレベルに思える。実用的な万能バイクで、トレッキングにも250オフローダーより向いている・・・という程度なのではないかと思う。


トレッキングでは下りることはできても、上れないことが多い
トレッキングで困るのは、まずは1速での登坂力だ。トレッキングの場合、下ることはできるが、上ることが出来ないことが多い。



左の写真のように助走できる場所であれば、助走すれば非力なバイクでも通過することができるが、助走距離が取れないとトタンに難易度が上がる。仮に助走距離が有ったとしてもトルクがあるほうが速度に頼らず済むため安全に通過できる。慣れないと垂直に近い壁に見えると思う。
ここを50ccで超えるのにはそこそこテクニックが必要。250ccなら、あまり考えずに超えることができる。同じ250ccクラスでも、低速トルクがあるほうが有利で、足着きが良いほうが有利。

グリップするなら、後輪トルクがあれば良いが、エンジントルクが後輪トルクと直結するわけではなく、エンジントルクが少なくても、減速比が大きければ後輪トルクは稼げる。
逆に言うと、エンジン自体のトルクが不足する小排気量車ほど、1速が低く同じ距離を進むために必要なエンジン回転数が大きくなるのが普通である。下に1mあたりのエンジン回転数の表を貼った。左から排気量が小さい順、排気量がほぼ同じなら馬力が小さい順に並べた。表を見ると、大雑把には左側ほど高く、右に行くほど下がっている。

ところが、排気量、トルクの割には回転数が大きくなる車種が存在する。セロー225、セロー250は同じ排気量のバイクと比べ1速が低い。

単に1速を下げたいなら、スプロケ交換で簡単にできる・・・が、それだと最高速も一緒に下がってしまう。
エンジントルクが十分であれば、減速比を上げなくても、後輪トルクは得られることになるが、実際には低回転ではトルクが極端に落ちる・・・そもそもある程度回転が高くないと、エンジンは回転を続けられない。最低の回転数はエンジンのセッティングによって変わってくるが、オフロードバイク(トライアラーを除く)の最大トルク発生回転数は200〜250ccあたりで6000〜7000回転、125ccクラスでは8000回転にも達する。基本的に、極端な低回転は得意ではない。
そのため実際には、とにかく1速での減速比が高いバイクのほうがトレッキングには使いやすい。

右の写真のような場所だと、そもそもグリップしないので、トルクはあまり大きな問題ではなくなり、軽くて低いほうが押しやすくて便利。

トレッキングで重さ、高さは重要なポイントになる。背の高いバイクは押しにくくもある。

トライアラーの場合、1速の減速比は高いが、それ以前に、そもそも最大トルクを2500〜4000回転程度で発生できるので、2500回転くらい回ってればかなりのトルクがある。


排気量無視で書いてあるので、必ずしも比例しないが、基本的には、グラフが長いほど1速が低く、嵌ったときに抜けやすい、トレッキングで2足2輪しやすい。


最大馬力時、最大トルク時の速度と、大雑把な1速登坂力の表

最大馬力、最大トルク発生時の回転数での速度と、大雑把な2足2輪登坂力の表を作成した。

速度は単にギヤ比と回転数、タイヤ外径から算出。タイヤ外径は未装着時の新品タイヤなので、実際はもっと低い数字になると思うので5%引いた。セロー225の方がセロー250より最高速度が高そうにも見えるが、ギヤが高ければ高速が出るわけではない。エンジンパワーに余裕があって、ギヤも高ければ速度が出る。
スペック上最高速が高そうなのは最大馬力発生回転数が高いSHERPAとKLX。実際にはSHERPAよりDJEBEL250XCの方が最高速は上だと思う。

登坂力は1速の低さと排気量、排気量あたりの馬力が小さいほど有利、車重が軽いほど有利、シート高が低いほど有利とし、適当に計算式作った。計算式自体の信憑性やスペックに出ない差があるので精度は高くないが、スペックから計算で出してるだけなので、目安にはなると思う。シート高や重量が同等でトルクが大きいためセローよりSLが上になってしまった。


2足2輪での登坂力計算・・・の想定条件
凹凸が無く平坦な急坂を登り、停止状態から足こぎ付きで発進した場合。ライダーは日本人男子の20歳時平均身長、平均体重(175cm、60kg)程度を想定。
160cmの人から見れば、まったく2足2輪にならないようなバイクが普通に乗れることになっていたり、185cmもあったら、小さすぎて乗りにくく、その上非力で、もっとでかいのの方が乗りやすい・・・と思うかもしれない。平均で計算したので、そのあたりは加味して見て欲しい。


XR100モタード
軽くて小さいので、人力を駆使してけっこう登れる。足付は21インチフルサイズよりもずっと有利。こんな非力なマシン・・・と思っていても、余裕で走るので驚く。実際にはタイヤが小さいので、障害物やガレ場に滅法弱いと思う。フルサイズで難儀するルートでも、XR100だと思いのほか楽に通過できることもある。

XL125R、DJEBEL125
125ccクラスは基本的に車体、クランクケースまで200cc(最大230cc程度まで)と共通で、それでいてシリンダ、ピストンだけ小さいため、パワー不足でトレッキングには向かない。200ccクラス自体過去のもので、トレッキング向きの225ccクラス、250ccクラスとも重量に大差が無いので、それらと比べると125ccは排気量半分なので仕方が無い。さらに、妙にギヤが高く、最高速度も200ccと変わらないので尚更。目一杯低速側に振っても満足なレベルには達しないと思うが、かなりマシにはなると思う。

TLR200
非常に珍しい排気規制前の4ストトライアラー。一応トライアラーなので、グラフの上ではぶっちぎりだが、実際乗った身としてはのろのろ走った場合の登坂力はそんなに高くなかった。短い助走で小山に登るようなときはOFF車を圧倒するものの、通常はトルクありすぎでトラクション悪い。2足2輪のトレッキングと、足を着かない競技のトライアルでは性格が大きく異なる。TLR200よりはSHERPAの方が圧倒的にトレッキングしやすいと思う。(・・・というか、私の乗ったTLR200が腐っていたのかもしれないが)エンストするので、けっこう速度出して走らなければならず、疲れる。

XL200R
実際乗ってみて個人的にはトレッキングには向かないと思った。スプロケを低速向きにすればトレッキングも行けるが、元々最高速側が不足しているので、下げると不便。近場でトレッキングできる人なら問題無いかも。250ccクラスを小さく非力にしたのと同じ(実際は逆で、大きくハイパワーにしたのが250cc)。

DJEBEL200
エンジンパワーはXL200Rとほぼ同等だと思うが、シート高が低いぶん若干人力アシストが期待できる。250XCよりはだいぶトレッキング向きなようだが、実際そんなものではないかと思う。XR250とどちらが強いかにはちょっと興味有る。

XR230
登坂力がセロー225以上だとは聞かないが、計算上強くなってしまった。登坂力だけ比較したら、実際もけっこう健闘するのかも。

SL230
XR230との差は主に重量。登坂力以外では、アンダーガードの有無や最低地上高の差でもっと差が出る。ほぼ同じもののはずなのに、ずいぶん差があるな・・・と思う。

セロー225、セロー250
登坂力が同等なのは、たぶん車重、排気量の違い。最高速は225の方が上に見えてしまうが、実際は250が上。単に最大トルクと馬力の回転数をグラフにしたためそう見える。両方とも一度も乗ったことが無い。

XL DEGREE
好きなので入れてみた。重いので少々落ちる。

SHERPA
登坂力でセローより上なのは排気量の割に、軽いため。実際の重量と、乗って重く感じるかは別の問題だが、スペックに出てこない部分は計算できないため。実際の登坂力はセローよりけっこう落ちるのではないかと思っている。
最高速は妙に高そうだが、こんなに出ないと思う。

XR250(07)
ホンダ車は低回転大トルクなので計算上上に来てしまう。実際、少し度胸があって、体格の良い人が乗れば、小柄な200ccクラスよりも乗りやすいのかも。

DJEBEL250XC
登坂力自体はこんなもんだと思う。125ccよりは上だが、かなり低い。1速が極端に高く、ギヤ比がトレッキング向きではない。林道の急坂で1速からもう1速下げようとしてしまうくらい下が弱い。

KLX250
専用化するほど、それ以外の用途には弱いもので、最強のOFFはトレッキングにはあまり向かないと思う。DJEBEL250XCよりは1速が低いのだが、トルクが少なく圧縮比が高いため、差が出た。

DR-Z400S
どんな結果が出るか見たくて入れてみた。シート高、重量はKLX250と大差無く、低回転で大トルクなので、DJEBEL250XCやKLX250よりも有利となってしまった。まあ、障害が無く、グリップしている間は登坂力は優れていると思うが・・・


スプロケ交換でどこまで変わる?

125ccのバイクの場合、最高馬力時に110km/h以上の速度が出ることになっている。その割には、200ccも同じかそれ以下。実際のところ、125ccの12馬力では(直線で1分くらい粘らないと)110km/hも出ない。スプロケ換えて低速寄りにしたほうが走りやすいと思う。

スプロケ交換で減速比を変えた場合の最高速度と登坂力のグラフを作ってみた。バイク名前の後ろの()の中が設定変更量。Nはノーマル。-1はフロント1T落とし、-2なら2T落とし。-2+2だと、前を2T落とし、後ろを2T上げ。
上と同じ式で計算した結果だが、グラフを見てわかるのは125ccを低速寄りにしても200ccのノーマルにも届かないこと。200ccクラスなら、高速側を切り捨てればセロー225には届きそう・・・逆に言うと、セロー225は高速が出る割に1速での最大登坂力が高い。ノーマル状態でトレッキングになんとか使える程度の低速と、妥協可能な高速を両立しているのがトレッキング車だ。

ちなみに、DJEBEL200のエンジンは、回しすぎて壊す例がけっこう有るので注意。回さなければ壊れず長持ち。回すと壊れやすいようだ。



ついでにリカバリ性能。細道でのUターンから始まり、道から逸れて嵌ったときなど、脱出しやすいバイクはどれか・・・という比較。

要素ごとに考えてみると、軽いほど有利(これは当然)、ホイルベースが短いほど有利(かなり効く)、回転半径が小さいほど有利、タイヤ径がでかいほど有利、上で計算した1速登坂力が大きいほど有利、シート高が低いほど有利(重心が高くなる)、最低地上高が高いほど有利(腹がつかえる)・・・としている。

実際の経験上は、軽くて短くてどうにでもしやすいXR100モタードが上位、250の足長OFFより軽い125を上位に、同クラスなら軽くて短くてシート低いやつが有利。

それらを考慮して計算式作ってみた。経験から順位出して、経験と同じ順位で並ぶように計算式作ったってことになる。

計算結果としては、軽くて小さいXR100モタードは有利。TLR200は超越。基本的には登坂力と似た傾向だが、250ccの足長OFFよりも125ccの方が若干有利になっている。実際、若干軽くて小さい125ccと重いけどパワーのある足長OFFでどっちが簡単に脱出できるか悩む程度。

足長OFFでも速度があれば、登坂力も有るし、トレッキング可能だ。しかし、シングルトラックの最後でUターンするために必要な労力は、トレッキング車と足長OFFではかなりの大差がある。

基本的に、1人か2人で押したり引いたりを想定しているので、4人くらいで一気に押して・・・という人たちとは見解が異なるかもしれない。
また、私は平地でのトレッキングと言うのはあまり経験が無い。

首都圏周辺で人に迷惑かけずに遊べるところと言うと、山の一本道みたいなところが多く、標高も高めだ。勢い付けて崖上ったりというところは滅多に無く、再発進が困難で、片側山で片側崖、落ちたらめんどうな細道が延々続く・・・というパターンが多い。




ウインチページ


少人数で行動する人にはウインチはお勧め。嵌ったバイクの救出で、長い距離引くなら、安物ウインチ2個買うと良いと思う。