藤浪の自己流調整にいまさら“ダメ出し”　ドタバタ虎首脳陣

(夕刊フジ)

　開幕まで１週間を切ったというのに、阪神首脳陣が今になって、ドラフト１位・藤浪晋太郎投手（１８）＝大阪桐蔭高＝の自己流調整に“ダメ出し”した。

　オープン戦最後となった２４日のオリックス戦（京セラドーム）に先発した藤浪は、６回途中８安打６失点でＫＯ。「後半、思いどおりに投げられなかったのが課題。こうすれば抑えられるだろうというのは、少しつかめた。次の試合に生かせれば」と落ち込むどころか前向きでさえある。

　ただ、首脳陣はオカンムリだ。「５回まではよかったけど、６回はバテたかな。前日の球数とかそういうこともしっかりと考えていかないと」とは和田豊（５０）。

　実は登板前日、藤浪は納得できずブルペンでプロ入り最多となる８３球を投げた。さらに志願して中西清起投手コーチ（５０）が外野にノックする球を受け、約５０メートルの遠投も繰り返している。

　指揮官は「今までは自分のペースでやらせていたけど、ある程度、指示を出していく」と方針転換を示唆。育成を担当してきた中西コーチも「２、３度登板してみてからだが、ノースローとかいろいろやらせていきながらベスト（な調整方法）を見つけていかないと」と話す。

　とはいえ、自己流調整は藤浪の入団決定直後から首脳陣の総意で決定したはず。公式戦初登板は開幕３戦目のヤクルト戦（３１日、神宮）とみられており、もし調整法を変更するとなればぶっつけ本番になりかねない。

　「筋力がまだ足りない」とローテーション入りを不安視する関係者がいるかと思えば、「この世界は正解がない。失敗してからアドバイスすればいい」というコーチもいるなど、チーム内でも藤浪の見方はさまざま。１度打たれたら、もうドタバタ。せっかくの逸材だけに、育成方法を間違えなければいいが。　（田中一毅）