結果には理由があると考え過ぎる人は、失敗した時に能力不足、努力不足だと考える傾向にある。だから失敗した人を責めるし、自分の失敗を怖れ挑戦の頻度が下がる。結果はある程度時の運だと割り切っている人の方が、挑戦のサイクルが早く学びが多い。
— 為末 大さん (@daijapan) 2013年3月26日
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失敗・成功なんて時の運
140文字のツイートをさらにまとめると、「ダメな人は失敗を”自分のせい”にし、成功に近い人は失敗を”時の運”だと割り切る」ということですね。
ブログを書いていても実感するのですが、運の要素はめちゃくちゃ大きいです。記事ネタと出会うのも運ですし、記事が当たるかどうかも運です。
特にタイミングの問題は大きいです。情報の入手が30分早いだけで、アクセスに数倍の差が生まれたりします。自分の実力で結果をコントロールできると思うのは、どう考えても傲慢です。
成功するか失敗するかは運によります。1回のチャレンジの成功確率は、せいぜい5%くらいなものでしょう。だとするならば、ガンガン試行回数を増やしていくことが、成功に近づく上で大切なことになります。
思いっきり割り切ってしまうと、成功するか否かなんて「宝くじ」のようなものです。「イケダハヤトのブログが成功するか否か」は「宝くじが当たるか否か」と、概念的に同質だということです。
宝くじを一回で当てられる人はほとんどいません。同じように、ブログ記事を一本書いて大ヒットする人はほとんどいません。宝くじが当たらなかったからといって「俺が未熟なせいだ…」と思い悩む人はいないでしょう。それは傲慢というものです。
毎回諦めずに宝くじを買い続ければ、いずれは当たりが出る可能性があります。ブログも同じで、毎日諦めずに書きつづけていれば、そのうちヒットが出ます。
宝くじとブログが違うのは、ブログは失敗を繰り返すことによって、運を呼び寄せる可能性を高めることができる点です。何度も何度も繰り返していくと、自分がコントロールできる範囲が徐々に広がっていきます(それでもごくわずかですが)。
成功/失敗は、「漁師」の仕事を想像するとわかりやすいかもしれません。でかい獲物と出会い、しとめるためには、どう考えても運の要素が入り込みます。大海を前にして、ちっぽけな人間が成果をコントロールできるわけがないのです。
でも、長年漁をつづけていけば、少しずつしとめられる可能性が高まっていきます。ゆえに、漁師はできるだけ多く、漁場に向かおうとするでしょう。ダメだったときは「運が悪かった」と諦め、うまくいったときは「今日は運がよかった」と喜びながら。
成功や失敗から学ぼうとし過ぎて、大きな成功ができない人もいる。
— 為末 大さん (@daijapan) 2013年3月26日
もうひとつ、為末さんの金言。
学びが有効なのは、試行回数が最大化されているときです。試行回数が少ない状態で学びを得ようとすると、間違った努力に陥る可能性があります。
100本のブログ記事を書いたとき、たまたま「ライフハック系」の記事が当たったとします。危険なのは、そこで「ブログを書くならライフハック系が一番だ」と短絡的に法則を学んでしまうことです。
まだまだ試行錯誤の余地はあります。1,000本書いてみたら、実はライフハック系は微妙で、もっとよいテーマがあることに気付く、なんてことも十分ありえます(ぼくはそんなことの繰り返しです)。ぼくは3,200本ほど記事を書いていますが、未だに新しい学びを得ていますし、古い学びが間違っていることに気付いています。
成功・失敗は時の運です。これは一冊の本が書けるくらい深いテーマです。挑戦のあり方だけでなく、コミュニケーションのスタイルも変わるでしょう。為末さんも微妙に触れていますが、体罰なんてものも、ここに原因の一端があるのでしょう。次回作はこのテーマを扱おうかな…。
★この記事を読んだ人にはこの本がおすすめ。
世界的アスリートが教える「正しい戦い方」。学び多き一冊です。
こちらもおすすめ。「運」とまでは名言していませんが、「試行回数こそが成功の秘訣」であることを、さまざまな企業事例から導き出しています。