ちょっと前ですが、報道ステーションでNPOの事件が扱われたそうで。復興予算8億を食い物にしたNPO 岡田栄悟が報ステに出演 「私は悪くない」:特定しますたm9(`・ω・´)
「NPO」と一括りにするのは乱暴
報道のなかで、「このNPOは……」という表現を繰り返し使っていたことが、ぼくの周辺で話題になっていました。株式会社が事件を起こした時は「この株式会社は……」とは言わないですよね。なんでNPOだと「このNPOは……」になるんでしょう、違和感があります。
NPO(非営利組織)といっても千差万別です。いわゆる貧困ビジネスを行うような組織もあれば、寄付によって成り立っている組織、株式会社と同様にビジネス(事業)を行う組織もあります。株式会社が多様なように、NPOもまた多様です。
「このNPOは……」という物言いには、こうした多様性を無視し、一括りにしてしまう圧力を感じます。ほとんど無意識的なんでしょうけれど。
実際2chを見ると、「一括り願望」が発露されています。
・NPOはもう廃止しろよ ろくなのいねえ
・NPOとか中途半端な曖昧なやつはオウム真理教扱いでいいんじゃねか? 嘘臭いやつ大杉だよ。
・NPOってこんなのばっかだろ なにが非営利活動だよ笑える
相変わらず底の浅さが知れますね。2ちゃんねらーにはろくな人間がいません。
…と、ぼくも彼らを一括りにしてみます。大きな主語を扱うことは、こういう乱暴さがあるわけです。
かぎられた時間で伝える以上、ときには一括りにする必要性も出てきます。この報道においても、特に深い意味はなく、単純にその方が効率的だから、「このNPOは……」という表現になったのでしょう。
が、その集団についてネガティブな情報を紐付けるときには、やはり注意が必要です。
今回のケースにおいても、「やっぱりNPOは怪しいんだな」という乱暴な理解を、無知で鈍感な視聴者に刷り込ませることになります。本当に価値がある活動をしているNPO団体にとっては、どう考えても良い迷惑です。
ぼく自身にも当てはまることですが、特にネガティブな情報を扱うときには、「一括り」にする弊害について目を向けるべきです。誰かに無用な迷惑が掛けることは、極力避けましょう。少し配慮すれば良いだけの問題ですから。