朝鮮総連施設 宗教法人が落札へ3月26日 15時51分
東京の都心にあり、競売にかけられていた朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の中央本部の土地と建物について、入札が行われた結果、鹿児島県の宗教法人が最も高い45億円余りの価格をつけました。
この宗教法人の代表は北朝鮮と親交があり、落札できれば朝鮮総連側に施設を貸すことを検討すると話しています。
東京・千代田区にある朝鮮総連中央本部の土地と建物は、破たんした朝銀信用組合から627億円の債権を引き継いだ整理回収機構の申し立てで競売にかけられ、入札が行われていました。
東京地方裁判所民事執行センターで入札の結果を明らかにする「開札」が行われた結果、鹿児島県の宗教法人「最福寺」が45億1900万円で最も高い価格をつけました。
土地や建物の状況を調査して算定された売却の基準となる額は26億6000万円で、今回の価格はこれよりも18億円余り上回ります。
最福寺の池口恵観法主は北朝鮮と親交があり、去年4月にキム・イルソン主席の生誕100年を祝う行事に出席するなど、これまでに5回北朝鮮を訪問しています。
池口氏はNHKの取材に対し、「訪問したときに面会した北朝鮮当局の幹部から、中央本部の機能を維持するため力を貸してくれないかと依頼を受けた」としたうえで、「落札できれば民族融和の拠点として管理したいと考えているが、残った部分を朝鮮総連側に借りて頂けるのであればありがたい」と述べました。
今後は裁判所が不動産を買い受ける資格を持っているかどうかなどを審査したうえで、今月29日に「売却許可決定」を出して落札者が正式に決まることになります。
公安当局は情報収集
公安当局によりますと、朝鮮総連中央本部には、議長や副議長の部屋のほか、在日朝鮮人への民族教育などを指導する「民族圏委員会」などの部門があります。
中央本部の土地と建物が競売によって第三者に落札されると、日本での最大の活動拠点を失うことになるため、朝鮮総連の幹部は相当な危機感をもっていたということです。
今後の建物の使い道は、落札者の意向によって決まりますが、北朝鮮に関係が深い団体や人物が落札すれば、賃貸などを通じて朝鮮総連が引き続き本部の機能を維持できる可能性も出てきます。
最福寺の池口恵観法主は、記念行事に参加するために、複数回、北朝鮮を訪問するなど、北朝鮮の関係者と交流があることから、公安当局は、今後の動向について情報収集を進めることにしています。
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