国際【再び、拉致を追う】第6部 「よど号」犯らへの教示(1)「絶対」を意味する直筆指令+(1/4ページ)(2013.3.25 09:04

  • [PR]

国際

  • メッセ
  • 印刷

【再び、拉致を追う】
第6部 「よど号」犯らへの教示(1)「絶対」を意味する直筆指令

2013.3.25 09:04 (1/4ページ)再び、拉致を追う

 平壌の中心部から車に乗った。1時間ほど走ると、周囲には木々が生い茂る森が広がっていた。日航機「よど号」を乗っ取り北朝鮮に渡った元共産同赤軍派メンバーらやその妻、子供たちが暮らしていた「日本革命村」をかつて訪れた関係者は、その情景を思い出す。

 よど号犯グループが生活する宿舎以外にも、いくつかの建物が並んでいた。そのうちの一つに「教示室」と呼ばれる部屋があった。

 金日成(キム・イルソン)主席や金正日総書記がグループに下達した「教示」が展示された特別な場所だ。ガラス棚に目を向けると、革で装丁された、書簡の表紙が置かれていた。「日本革命に関する根本問題」。書簡に記された金総書記直筆のサインは、同じ部屋の別のところに飾られていたという。

 金総書記の直筆による指令は「親筆指令」と呼ばれ、重い意味を持つ。大韓航空機爆破事件(1987年11月)の実行犯、金賢姫(ヒョンヒ)元工作員(51)も金総書記の親筆指令で指示を受けていた。指令の存在は公にできないが、それは「絶対」といえる。よど号犯グループにとって、勢力拡大は急務だった。

 田宮高麿最高幹部は日本革命村を訪れた関係者に、「日本で獲得するほうが楽だが、(メンバーらが)日本に入るのは難しかった」と漏らしたという。

(次ページ)「共産圏を旅しない?」

関連トピックス

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital