韓国企画財政相:日本の政策に懸念強める-G20で円安討議を
3月25日(ブルームバーグ):韓国の企画財政相に就任した玄旿錫氏は為替市場での円安進行に懸念を表明し、20カ国・地域(G20)はこの問題をあたらめて取り上げるべきだとの考えを示した。
玄企画財政相(62)は就任2日目の23日、ソウル近郊の盆唐(ブンダン)で記者団に対し、「日本の緩和政策に伴って多くの国にさまざまな波紋が広がっている」と強調。「ウォンが上昇している間に円安が進んでおり、韓国の輸出には赤信号が点滅している」と語った。
日本銀行の黒田東彦総裁はデフレとの闘いで緩和策を強化する考えを表明。この3カ月で円はドルに対し11%下落した。韓国はモスクワで開催された前回のG20財務相・中央銀行総裁会議の前後に円安に懸念を示したが、同会議で日本の政策への批判は回避された。
現代証券のシニアエコノミスト、イ・サンジェ氏(ソウル在勤)は、「韓国政府は小幅ではない円安による同国経済への悪影響をはっきり認識している」と指摘。日本とは「補完関係ではなく、競合関係にある」と述べた。
玄企画財政相は「われわれは可能な限り手を尽くすが、円安問題への対処には国際社会の協力が必要だ。この問題はG20で討議されるべきだ」と言明した。
2本柱朴槿恵大統領に22日任命された同相は就任会見で、「景気回復ペースを上げるためにあらゆる可能な手段」を使うと述べ、政府の支援策が月内にも発表される可能性を示唆した。
同相は23日、「政策を検討する中で円安問題を考慮する必要がある。輸出と内需は韓国経済の2本柱だ」と述べ、為替の動向はショック要因となり得るため、為替市場の安定化はこれまで通り政策上重要な部分だとの認識を示した。
韓国の聯合ニュースは先週、同国政府が10兆ウォン(約8500億円)規模の補正予算を26日に発表する可能性があると報じた。情報源は明示していない。
原題:South Korea Escalates Concern With Japan Policies as YenSlides(抜粋)
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更新日時: 2013/03/25 09:54 JST