中国広東省の深セン市で建設している同国で「最も高いビル」の工事が止まっている。同市内の建設工事現場にコンクリートを供給する業者が、基準に反した海の砂を使っていることが発覚。同市が急きょ、業者や工事現場での一斉検査などを指示した。「手抜き工事」の影響は人口1千万人を超える大都市の不動産に波及する恐れがある。
このビルは同市中心部で2011年に着工し、16年完成予定の平安国際金融中心。高さは660メートル。中国本土で現在最も高い森ビルが手掛けた上海環球金融中心の492メートルや、上海で建設中の上海中心大厦の632メートルを超える見通し。
だが、中国国営の中央電視台(CCTV)が14日、深センの海岸で採掘した海の砂が脱塩処理されないままセメントと混ぜられ、同市内の建設現場で使われていると伝えた。脱塩処理されない砂はセメントの強度に影響しかねない。これを受け、深セン市政府は同日、コンクリートなど建設資材の使用前の全量検査を指示した。15日には市内31のコンクリート業者の営業許可取り消しや一時停止なども決め、市内の主な建設工事が止まった。
ビルのオーナーである中国平安保険集団の任匯川・総経理は15日の記者会見で「非常に憤っている」としたうえで「コンクリートは常に厳しく検査をしてきた」とし、これまでのビル建設に問題がないことを強調した。工事の停止期間や完成時期への影響には言及しなかった。
深セン市内の他の工事の進捗に響く恐れもある。同市内のマンションなど不動産取引の手控えにもつながりかねない。海の砂を使っていた業者の中には、大型国有企業傘下で香港上場の不動産大手、華潤置業やセメント大手、華潤水泥も含まれる。15日の香港市場ではこの2社を含め、中国本土系のセメントや不動産株が軒並み売られた。(香港=川瀬憲司)
森ビル、セメント、コンクリート、中国、中国平安保険集団
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