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今年度もあと少し、春先には、多くの方が健康診断を受けられるのではないでしょうか?日経BPの調査によれば、健康診断を受ける実に4割強の人が「要再検査」以上の診断を受けている様です。特に、8割以上が不健康を自認するSEにとっては、健康管理のための欠かせない機会となるでしょう。
ただこの健康診断、A~Eまでの判定で書かれていることは分かるけど、実際どの数値がどうなればどこが悪くなるのかを理解することは難しいですよね。そこで、皆さんが毎年受けている健康診断の診断表の見方について、項目ごとに注目すべきポイントを一緒に見ていきましょう。
■ 血液検査のチェックポイント
血液検査から分かる代表的な症状は、貧血です。自分が貧血かどうかを判断するには、まずは診断表の血色素量(ヘモグロビン)を見てみましょう。
貧血の症状は、「顔色が悪く、血色が良くない。」「なんとなく、身体がだるくて疲れやすい。」「少し運動しただけで、すぐ息切れする。」など。これらは、血色素量が減少することで発症します。
貧血の症状にあわせて、血小板値が低下している場合は要注意です。最悪の場合、肝臓病や白血病などを発症している恐れがあるため、必ず再検査を受けるようにしましょう。
◎ 改善方法
貧血を引き起こす原因は、主に栄養失調・栄養不足です。貧血の心配がある方は、「適切なエネルギー・タンパク質、鉄分」が含まれた食事を摂取することを心掛けてください。
■ 肝臓機能のチェックポイント
肝機能が正常に活動しているかどうかを判断する成分は、γ-GTPとGOT、GPTそしてLDHです。まず、γ-GTP量が多い方は、お酒の飲み過ぎ・油のとり過ぎが原因です。普段の食生活を見直しましょう。
問題は、GOT。こちらが基準値を超えている場合は危険です。なぜなら、肝機能障害は一度発生すると元には戻らず、その後肝硬変などの重い病気に進行していく可能性が高く、放っておくと肝臓がんになる恐れがあるため。GOTだけでなく、LDHが高い方も、がんのサインかもしれないので、改めて検査をすることをオススメします。
◎ 改善方法
こちらも、食生活を見直すことで改善の余地は大いにあります。低脂肪、高タンパク(豆腐、納豆など)のものを積極的に摂取しましょう。食物繊維はコレステロールを吸着して排せつしてくれるため、野菜類もなるべく摂取するようにしてみてください。
■ 腎臓機能のチェックポイント
腎臓機能で見ておくべきは、BUN、クレアチニン。これらの成分が基準値を超えてしまっている場合は、腎機能が低下している恐れがあります。
腎機能が落ちていくと最終的に透析をしなければならなくなるので、手遅れになる前に早めに改善策を採りましょう。
◎ 改善方法
クレアチニンを下げるには、腎機能に負担をかけさせないことが大切です。
[肥満に気をつける・塩分を取り過ぎない・血圧に気をつける・体を冷やさない]などを心掛けてください。
■ 脂質のチェックポイント
LDLコレステロールが高い方は、早々に生活改善を。「父親も高かったから大丈夫」なんて甘く見ている方もいらっしゃるようですが、LDLコレステロールが体に及ぼす影響は、家族的に脂質が高い方でも同じです。
逆に家族性の方は生活改善でもなかなか下がらないので薬の治療が必要になってくることも多いのです。
◎ 改善方法
30代・40代になると血管の伸縮性が失われていくため、脂質が高い方はさらに動脈硬化が進行して、血管性の病気、心筋梗塞や脳血管障害などに陥りやすい傾向があります。重症になる前に、まずは普段の食生活の改善から始めてみましょう。
■ 血圧のチェックポイント
血圧に大きく影響を与えるストレス。仕事でストレスがたまり緊張感が高くなると血圧が上がり、それが慢性的に続くと本当の高血圧症になってしまいます。
◎ 改善方法
高血圧を正常化させてくれる食べ物としては、かぼちゃや梅など。かぼちゃは、中に含まれる良質な脂肪が血圧を正常にし、梅は体内機能をスムーズにし血圧を安定させる作用を持ちます。また、低血圧の方はプルーンを食べる習慣をつけてみて下さい。新陳代謝を活発にし、血液の循環を良くしてくれるでしょう。食生活を変えることで、改善できる可能性があります。
■ おわりに
◎ 体調不良の根本にある、ストレス解消を最優先
これまで見てきたとおり、多くの問題は生活習慣、特に食生活を改善することで解消されます。しかし、仕事の関係上のストレスが原因で、暴飲暴食を続けてしまう人が少なくありません。食生活を改善する前に、まずは自分がどうすればストレスフリーになれるのかを考える必要があるかもしれませんね。
メンタルヘルスに関する悩みは人によってさまざまですが、普段の生活や仕事の悩みなどを相談することで、ある程度の傾向や対策が見えてきます。もし、「どうすればこの状況を打開できるのかが分からない」とお悩みの方は、ぜひ一度、身近な産業医に相談してみてはいかがでしょうか。
監修/内科・心療内科産業医 (精神療法オフィス勤務)
(著&写真:エンジニアtype 編集:nanapi編集部)
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