◇楽天7−1巨人
楽天の新人、則本が5イニング1安打無失点と上出来の内容でシーズンへ弾みをつけた。牧田が2本の二塁打で長打力を発揮した。巨人の内海は走者を許すも3イニング2安打無失点と粘った。長野が6回にオープン戦1号となるソロを放った。
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黄金のイヌワシが舞い降りた。楽天の新人則本(三重中京大)が日本一打線を圧倒。5イニングを投げて許した安打は1本、無失点の快投だ。星野監督は「やってもらわなきゃ困る」と最大級の評価。ソフトバンクとの開幕カードで3戦目の先発を託すことが有力になった。
重量級の打者を相手にしても、恐れることなく内角を攻めた。二塁すら踏ませない快投。ただ、これもMAXではない。試合後は、「思った通りの投球ではなかったですけど、悪いなりに抑えることができたと思う」と振り返った。
オープン戦5試合で25イニングを投げて4失点。球団では田中以来となる新人での開幕ローテは確定している。それでも、則本には結果だけで満足できない理由がある。今春で閉校となる母校・三重中京大と交わした約束だ。
楽天と契約を結んだ昨年12月、大学関係者に恩返しを申し出ると、「学校はなくなるのだから、何もいらない。それよりも、活躍する姿をみんなに見せてほしい」と頼まれたという。
「物を贈るよりも大変だけど、頑張らないといけない」と則本。23日にチームを離れて出席した卒業式でも仲間から激励を受け、自らの使命を再認識した。「調子に関係なく、最少失点に抑えて勝っていきたい」。掲げる目標は新人王だ。
孝行息子の好投で巨人を倒し、オープン戦を締めくくった。星野監督の表情が緩む。「強いチームに勝つと勢いがつく。バコバコにやられてシーズンに入るのとは全然違う」。最高の雰囲気で、レギュラーシーズンの開幕を迎える。
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