アイナメのセシウム含有量は秋口に一時的に下がったものの、秋から年を越えて1キロ当たり1000ベクレル以上の高い水準を保っています。放射性物質の海への流出が止まれば、セシウムは魚の体内から代謝されて減って行かねばなりません。高汚染の魚が揚がり続けている以上、新たなセシウムを魚が摂取していると考えるしかありません。
《福島原発の汚染水、依然流出か 海のセシウム濃度下がらず》は《事故後の昨年4月、海への汚染水の流出が発覚し、東電は地中に薬剤を入れて止めた。東電は「この3〜4カ月は濃度低下が緩やかだが、昨年3月より大きく下がっている。11月ごろから下がりきったところで推移しており、漏えいがあるとは考えていない」としている》と東電の反論を伝えていますが、証拠はこの通り。昨年末の「放射能海洋流出拡大なのに事故収束宣言とは」で心配した地下水と汚染水の混合からの漏出が現実になっています。
一方、読売新聞は《セシウム流出量、東電推計の6倍…海洋研試算》で福島原発事故で「原発から海に流出した放射性セシウム137の総量は最大で5600テラ・ベクレル(1テラは1兆)に上るとの試算を、海洋研究開発機構がまとめた。東電の推計量の約6倍にあたる」と報じています。昨年5月7日までのセシウム移動経路をきちんと模擬計算した結果で、これほどの差が出ると東電への信頼性は著しく下がります。海洋へのセシウム流出量は海外の関心が高い重要事項であり放置は許されません。
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