昨日は慎さんとの対談イベント。ゆるーりとした感じでしたが、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!慎泰俊×イケダハヤト 「未来を変える/変わる働き方」 | B&B
どうやって子どもを育てればいい?
育児中の方から「これからアジアの人材、ロボットなどが雇用を破壊していくとされるが、そういう時代を生き抜けるようになるためには、どうやって子育てすればいいでしょうか?」という主旨の質問をいただきました。子どもが生まれたばかりなので、これはぼくも考えつづけているテーマです。
今考えている暫定的な答えは、「実験力」を育むのが大切、というもの。
これからの時代は変化がますます激しくなっていきます。ひとつの職業・会社に何十年も従事するというのはスタンダードではなくなり、市場環境や内的なモチベーションに応じて、活動内容をフレキシブルに変えていくことが一般的になるでしょう。
「リーン・スタートアップ」の思想が説くように、ウェブのビジネスではすでに「小さな実験を繰り返して、最適な道をハイスピードで模索すること」が成功法則のひとつとなっています。
書中では「地図ではなくコンパスを持て」と伊藤譲一さんのことばが紹介されていましたね。未来は不確定なので、地図(計画)よりも、足を前に進めるコンパスの方が重要になるのです。
「一生この仕事をやりつづけるんだ!」と考えて職業に就いたら、それをロボットや新興国の労働者、アマチュアたちがいとも簡単に代替してしまった…なんてケースは「無駄な努力」です(もの書きというキャリアはちょっと危ないかもしれません…)。
これからは、個人の生き方もリーンスタートアップ的になっていくはずです。市場の変化を鋭敏に捉え、小さな実験を繰り返して、ポジションを常に調整しつづける能力が問われます。
実験力を育むには
では、どのようにすれば「小さな実験を繰り返して、ポジションを常に調整しつづける能力」が育まれるのか。「誉めて育てる」ことが、その方法のひとつだと考えています。
仕事柄たくさんの起業家にお会いしますが、やはり、誉めて育てられた人たちが多いです。それこそ慎さんも、お母様から「おまえはなにかでかいことを成し遂げるよ」と言われて育ったとか。
唐揚げ協会の安久さんも同じように育てられていますね。
小さな頃から「自分はなんでもできる」と思っていました。たぶん親から「おまえはやればできるんだから」「鉄はなんかやりそうだね。将来、大物になるかもしれないな」とずっと言われて育ったからかもしれません。いろいろ経験する中でこうした言葉の大切さ、ありがたみを今、ひしひしと感じています。
スタンフォードやハーバードでも、入学時に「世界を変える人材」であることが刷り込まれるそうで。
「ここに来たことは、もしかすると新入生の君たちにとって幸せなことではないかもしれない。今ここに集まったということは、この学校の理念でもある「世界を変えよう」という言葉から一生逃げられないということだ。本当は普通に、平凡に生きていたほうが君たちにとって幸せだったかもしれない。単純に喜んでいいとは言えないけれど、ここに来た以上、ぜひ頑張ってほしい」。私たちがスタンフォードの最初に1日に受け取ったのは、このように身の引き締まるようなメッセージでした。
ハーバードの学生たちは、ポジティブな言葉のシャワーを徹底的に浴びる。「将来、リーダーになる君たちは…」「この分野の改革者になるであろう君たちに…」「それぞれの国や地域から選び抜かれた諸君は…」「社会の問題を解決する任務を背負ったあなたたちは…」などなど、自分のみの一回りも2回りも、いや、それ以上に大きな言葉をかけられるのだ。
こういうことばを掛けて育てられれば、子どもたちは積極的にチャレンジをするようになります。一度失敗しただけで「やっぱりダメだ…」と意気消沈してしまう人間にはなりにくいでしょう。
また、親をはじめとする周囲のコミュニティが、失敗をしたときにいつでも帰ってこれる「安全基地」として機能することも大切です。失敗したときは人間傷つきますからね。
というわけで、ぼくは娘に「おまえは世界を変える人間になれる」「失敗はすばらしいことだ」「疲れたらいつでも帰っておいで」と伝えて育てようと考えています。経験的には、これが正解に近そうな気がしています。
みなさんはこれからの時代を生き抜く子育てについて、どのように考えていますか?ぜひコメント欄で教えてください。
★この記事を読んだ人にはこんな本もおすすめ。
実はドンピシャで関連する本を慎さんが出しています。3/23に発売したばかりの新刊。サクッと読める分かりやすい一冊です。後ほどブログでご紹介。
技術進歩とそれに伴う世界のフラット化(グローバル化)により、将来に生きる日本の若者たちは、今以上に大変な課題に直面する。機械やコンピュータとの競争、世界中の同世代の子どもたちとの競争である。そんな中で生き残っていくためには、今までとは違う能力を身につける必要がある。それが、新しいものを生み出す力だ。