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ヨルダン戦で克服すべき、日本の3つの弱点

フットボールチャンネル 3月24日(日)22時15分配信

 ヨルダン戦に向けたテストマッチとなったカナダ戦は、日本の弱点があぶり出される内容となった。岡崎慎司とハーフナー・マイクのゴールによって2-1で勝利こそ手にしたものの、ザックジャパンが抱えている弱点が改善されていないことは明らかだった。

 ザックジャパンの弱点とは何か。大きく分けて3つある。

■1.前からのプレスに弱い

 前半の日本はカナダの速い寄せの前にボールをつなげず、攻撃を組み立てることができなかった。最大の要因はボランチにボールが入らなかったことだ。DFラインから前線に運ぶときは、ボランチの遠藤保仁と長谷部誠を経由するのが基本になっている。

 だが、カナダが前から人数をかけてきたことや、サイドバックの内田篤人や酒井高徳がプレッシャーを感じ過ぎていたこともあって、前線の前田遼一や香川真司にダイレクトにパスを出す場面が目立った。

 日本のアタッカー陣は前を向いたときに特徴を出せる選手は多いが、背負った状態でボールを収められる選手は少ない。これは強豪国だけでなくアジア相手でも共通する弱点だ。唯一の例外が本田圭佑だ。

 ザックジャパンは前からのプレスに対して「本田にロングボールを入れて、キープする」というやり方で回避してきた。ただ、今回は怪我のためメンバーに入っていない。本田がいないときは、これまで以上にボランチを経由しながら細かく刻みながら前に運んでいくことを意識しなければいけない。

■2.ロングボールによる攻撃に上手く対処できない

 日本がペースをつかむことができなかった要因の一つに、カナダのロングボールを跳ね返し切れず、セカンドボール(こぼれ球)を拾われてしまったことが挙げられる。単純なロングボールに関しては、長身CBの吉田麻也がいるので、それほど問題ではない。

 カナダが厄介だったのは、ロングボールを蹴る前にパスをつないできたことだ。前からプレスをかけるとき、日本は1トップとトップ下がどちらかのサイドに追い込み、2列目のサイドハーフやボランチが連携して奪うという守り方をしている。

 この際、DFラインも押し上げるのがセオリーなのだが、この試合ではカナダの3トップが高い位置をとっていたこともあって、DFラインとボランチの間の距離が広がってしまっていた。そのため、ロングボールを跳ね返したとしても、セカンドボールを拾われるという悪循環に陥ってしまっていた。

 ザックジャパンは自分たちが主導権を握って戦うことをコンセプトにしているが、カナダ戦の前半のように自分たちのサッカーができないことはヨルダン戦でも想定される。前からのプレスがハマらなければ一旦ラインを下げて、相手に攻めさせるぐらいの割り切りも必要になるだろう。

■3.セットプレーの対応に甘さがある

 日本の失点はセットプレーから生まれた。マークしていた伊野波雅彦のミスであることは間違いないが、守り方にも原因はある。日本のコーナーキックの守り方は、自分のマークを決めてつく「マンツーマン」だ。

 失点シーンを見ればわかるが、カナダの選手はボールが入る前に動き回って、ゴール正面のスペースを空けようとしている。ポッカリと中央のスペースが空いてしまったことがシュートにつながっている。

 マンツーマンではなく、あらかじめ危険な場所に選手を配置しておく「ゾーン」であれば、相手がどれだけ動いてこようと中央のスペースを空けることはない。このあたりは監督の好みもあるので「どちらが良い」とは言いづらいが、スペースを空けられときにどのように対応するのか話し合いをしておくことが大事になる。

 カナダ戦のスタンドにはヨルダンのハマド監督の姿があった。ある意味、日本はヨルダン戦の前に自分たちの弱点をさらけ出してしまったと言っていい。ハマド監督は「前からのプレス」+「ロングボール」+「セットプレー」という3点セットに苦しめられた日本を見て、どう感じただろうか。26日、ヨルダンの戦い方でそれは明らかになる。

北健一郎

最終更新:3月24日(日)22時15分

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