
経歴
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株式会社リファイド
代表取締役 槙野秀俊

- 岡山県倉敷市出身。香川、高知、東京と移り住み、2009年から株式会社リファイドを起業、代表取締役として日本唯一のニュース運営クラウドソーシング事業を展開中。
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株式会社エートゥジェイ
取締役会長 石川友夫

- 静岡県浜松市出身。システム会社に設立、お茶会社の取締役社長室長としてマーケティング業務全般に従事、リアルメディアでのプロモーション提案が要のマーケティング会社にて専務取締役を務め、現在株式会社エートゥジェイ 取締役会長就任。

まずはじめに、今回リファイドとエートゥジェイが提携した背景について教えてください。
- 石川
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現在は、ネット環境のAPI化やRSS機能の充実により、自分が編集長となって「欲しい情報だけ」をタイムリーに取得できる時代となっています。そうした中、企業は自分たちが取り巻く環境や業界の情報を配信することによって、その情報に興味をもっている人たちだけにタイムリーに情報を配信することが可能となりました。
私たちは、WEBはもちろんリアルメディアも駆使した上でのプロモーションを日々試行錯誤しているのですが、近頃の状況と私たちの命題をつきつめている中で、ある三つの視点で方向性が見えてきました。
一つ目は「プロモーションにジャーナリズム要素を入れることができないか?」二つ目は「レスポンスを出すことができるニュースを作ることはできないか?」三つ目として、情報やニュースを配信する企業にとって、このニュース配信事業を行おうとすると非常に膨大なコストがかかっています。これをなんとか「安価にできないだろうか?」などと考えていたときに、まさにそのサービスを提供しているリファイドさんに出会い提携をするに至りました。エートゥジェイとしても提携をした上でぜひ市場創造をしていきたいと考えました。
- 槙野
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弊社の商品は、ニッチな商品なのでトライクゾーンが非常に狭い商品です。そこに興味を持つ企業にピンポイントで持っていけば、営業をほとんどしなくても、商品の説明をするだけで、ご契約頂けたクライアントが何社もありました。最初は自分で10社くらい営業をして5社にご契約頂きました。ニッチながら、そこそこいけるという確信が出来たので、次の展開をどうしようかなと考えていたときに、web広告、SEOに熟知し、この商品のコンセプトを理解してくれて営業力のあるエートゥジェイさんにお会いしたんです。きっかけは、弊社のクライアントが、サービスについて、エートゥジェイさんにご紹介頂いたことでした。


では、今、なぜニュースサイトを運営・構築するサービスを提供するのでしょうか?
- 槙野
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前職時代、産経新聞グループと一緒にBtoBのフリーペーパーを作りました。メディアってやる気があれば持てるんだなと思ったんです。単純に広告とかの直接的な収益だけでなくて、メディア運営主であることのメリットというか優位性を凄く感じました。
ただ、紙はしんどいなと、1号発行するのに一千万のコストがかかりました。
リスクを低減しながらメディア運営主になる方法もあるのではと色々と考えて、じゃあネットでメディア運営社になれるサービスを創ってはとなったわけです。
あともうひとつ、前職時代にプレスリリースの配信代行サービスを運営していまして、そのときに、クライアントに先に、年間10本の配信出来ますとか、そういう権利を年間で契約して頂いていたのですが、なかなかプレスリリースを書けないお客さんがたくさんいました。それで「こういうネタで書きませんか?、お金は払ってもらっているから、打たないと払い損ですし」とかスタッフがフォローしたりするわけですが、それでもリリースが書けないクライアントも何割かいたんです。
そのときに、広報とか、ブランディング的なプロモーションって、重要とは分かっているけど、多くの中小企業にとって、他の業務と優先順位を比べたときに、緊急性が高くない仕事になりがちで、場所だけ用意して「はい、あとはどうぞ」ではダメなんだなぁと実感しました。
それで、次に中小企業向けに広報やブランディングの要素を含んだサービスを創るときには、クライアントがが基本的に何にもしなくても最低限のサービスは提供できて、クライアントが頑張るとプラスアルファになるよと、そういう仕組みや料金体系にしようとずっと考えていて、それが今のサービスの形になっているのかなと思いますね。
- 石川
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最近の広告業界のトレンドをいうと、自社でコンテンツを配信したいという企業が多くなっているなという感じがあります。まさにオウンドメディアを強化する商品を提供していきたいエートゥジェイとしても強力な商品になるなという期待がありました。
ニュースという力をもってアクセス数やSEOをあげるということは結果的にレスポンスをあげることになるので、そういう意味では今までにはなかった切り口としてネットならではのニュース配信を期待しているのはないか。そうなるとこういったサービスを安価でできるというのはチャンスになるのではないかと思います。
- 槙野
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僕はこの商品は、ジャーナリズム的なメディアではなくて、あくまでもPRを実現するための手法としてのメディアととらえています。
中小企業がメディアを運営していて成功しているケースをみると幾つか特徴があります。 まずある特定の業界のニュースをいうものを網羅的に数多く配信する、これは大手既存のメディアと一緒、新聞と一緒です。たとえば日経新聞でも、日経新聞の記者でしか書けないような記事というのはほんのわずか。ほとんどは記者会見にいけば誰でも書けるような内容であったり、プレスリリースを見たらだいたい書けるものです。でも実はそれが大事でストレートニュース(※1)というのはメディアを円滑に運営していくための大前提だったりする。次に、日に1つでもいいからキャラクターがのったエッジの効いた記事が入ってくるとメディアはファンがついていって発展していくんですよね。
中小企業がこれをしようとしたときに、当然自分が言いたいエッジの効いた記事ばかりに力を入れがちなのですが、これは両輪ないとダメで普段のストレートニュースで自分たちの認知度を高めていってリピートしてもらって、そこに来た人たちに対して言いたいことを言う、という二階層であるべきなんです。でもたいていの場合ストレートニュースの方がおろそかになってしまっているから、一生懸命作った割にはみんなに見られないという現実がある。なので、このサービスを安価で提供することによって、ストレートニュースの方はこちらで受け持つので本当に伝えたいニュースにだけ注力していってくださいということができるサービスです。
- 石川
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今までの新聞や雑誌というのは編集長の視点によって記事ができあがっていきます。それはそれで有意義なリソースなのだけれど、自分で記事をとって自分で編集したいという欲求があるので今のニーズに応えているのかなと。
- ※1ストレートニュースとは、ニュースやスポーツニュース、天気予報など用意された原稿を読み上げること。またそのようなニュース番組の形態。

実際のどういった企業が「ニュースサイトを持つこと」に向いているのでしょうか?
- 石川
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中小企業のほうがいいのではないかという感覚はあります。ニーズがはっきりしていることと業界新聞のネット版としての役割を担うことができるからです。
- 槙野
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BtoB、もしくは比較的単価の高いBtoCということになるのかなと思います。マーケティングレベルとしては、リスティングもやってプレスリリースもSEOもやってきたけれど、抜本的に何をしましょう?というフェーズにいらっしゃるクライアントが向いているのではないでしょうか。
- 石川
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リスティングもSEOもある程度お金をかけてやりきったけれど効果がない、課題を感じているお客様はぴったりでしょうね。大手にはできないことをネットを使って中小でやってやろう!と思っているお客様はまさにぴったりですね。


いわゆるニュースサイトとしての活用方法以外にどんなものがあるでしょうか?
- 石川
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この商品パッケージにはツイッターで自動配信できる機能が備わっており、自動でフォロー、フォロワーを増やすことが可能です。もうひとつ挙げれば、記事コンテンツをメルマガに加工して配信できるという使い方ができます。自社のTOPページなどでRSS配信するニュース記事コンテンツとして使うという方法も、わずらわしさなしで更新ができる点では大きな特徴と言えるでしょう。

最後に今後の展望を教えてください。
- 槙野
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ひとつはニュースメディアはソーシャルメディアととても相性がいいです。
今から数年前は中小企業が、少し古い言葉になってしまいましたが「web2.0」的なサイトを運営しようとすると、ユーザーとコミュニケーションをとろうとすると自分のサイトの中にコミュニケーションをとる機能を内包しなくてはならなかったんです。たとえばコメント欄やランキングなどですね。そうするとどういうことが起こるかというと、ユーザーとコミュニケーションとれていない時に皆にばれてしまう・・・
大手であれば、例えば「新商品出します。ネーミング募集」とやれば、たくさん反応あると思いますが、中小企業がそれをやっても、多くの場合はほとんど反響がない。これでは、やらない方がましというな結果になってしまいます。
しかし、時代が変わりました。今は、自社サイトの中は双方向になっていなくても、ソーシャル的なものが普及してきたことを利用し、そことの橋渡しをきちんとつくってあげたら、自社サイトはWeb1.0なんだけど、Web2.0的なコミュニケーションをユーザーときちんととれるような仕組みと環境は整っている。その状況を受けて、やっと今、中小企業がローリスク・ローコストでWeb2.0コミュニケーションをとりやすくなった時代と言えるでしょう。
メディアが誕生した時代からニュースというのはあったはずなんですが、今になってさらに輝き始めたみたいな感じがあり、期待感が増すところです。
もうひとつは、いわゆる多言語展開をしていきたいと思っています。今は、日本語だけですが、英語や中国語にも対応していきたいです。ただ翻訳すれば良いわけではなく、ウェブマーケティングの意味でのローカライズも必要なので、まずこれから1年くらいかけて自社メディアとしてトライして、ノウハウが貯まればそちらもサービス化したいと考えています。